噂のネタ元はアインシュタイン?科学的真相とは…

人は脳の3割しか使ってない説の謎

2015.01.30 FRI


アインシュタインの放言に端を発しているともいわれるこの都市伝説。残念ながら、突然、未使用の領域が使えるようになって超人的な脳力を発揮…ということはあり得ないようだ
日々のビジネスワークの中で、「いいアイデアが浮かばない」「とっさの機転が利かない」といったことに悩まされている人もいるだろう。脳も体の一部であるから、日によってコンディションに差があるのはしょうがない。

でも、一説には“人は脳の3割しか使えていない”ともいわれる。もし、その未使用の領域を働かせることができれば、ある日突然、とてつもないポテンシャルを発揮できたりするのでは!?

「たしかに、3割とか1割とか数字は様々ですが、そういった噂はよく耳にしますよね。でも残念ながら、科学的根拠はあまりありません」

そう語るのは、池袋スカイクリニックの須田隆興先生だ。

「脳がいかに活性化しているかは、最近は画像診断などで知ることができます。実際、睡眠中よりも勉強中の方が脳の活動は活発になりますが、それは10%、30%と活動量が増減するのではなく、使用域が移動するものだと思われます」

須田先生によれば、人の脳の大部分は、呼吸をしたり四肢を動かしたり言語を操ったりといった、基本的な行動に使われているという。つまり、何らかの天才性を司るような部分があったとしても、それは極めて“局所”であると考えられる。やはり、何かの拍子に能力が上がるなんて、マンガの世界だけのことなのか…。

「しかし、脳だって鍛えれば、後天的にパフォーマンスを上げることは可能だと思いますよ。たとえば高齢者医療の現場では、日頃から意識的に頭を使おうとしている方は、認知機能が衰えにくい現実もあります。また、幼い頃からそろばん塾に通っている子どもなどは、素晴らしい暗算能力を見せたりもします。ビジネスシーンで求められるのは記憶力と解析力と演算力だと思いますが、これらはいくつになってもトレーニングで向上させられるものですから」

その意味では、近年の脳トレブームは決して無意味ではないと須田先生は語る。脳は筋肉のように肥大しなくても、鍛錬次第で特定の能力を伸ばすことはできるのだ。
(友清 哲)

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