あの人の名前、なんだっけ…?

「ド忘れ」を防ぐ3つのポイント

2015.01.31 SAT


「初めまして!」と元気にあいさつしたが、「以前お会いしてますけど…」なんて言われたら気まずすぎ!
知り合いの名前が、すぐそこまで出てきているのに思い出せない…最近そんなことが増えてきたような。やっぱり年をとるにつれて、記憶は抜け落ちていくものなのだろうか?

「思い出せないからといって、脳内の記憶が消えてしまったとは限りませんよ!」

と、教えてくれたのは、自然科学研究機構生理学研究所で脳を研究する柿木隆介先生。

「すべての記憶は脳の海馬という部分に一度蓄えられますが、その後は取捨選択され『長期記憶』と『短期記憶』に振り分けられる、という説が現時点では有力です。短期記憶は捨てられてしまうものですが、長期記憶は脳の前頭葉や側頭葉と呼ばれる部分にある“引き出し”に、ずっと保存されているのです」

柿木先生いわく、「思い出したい事柄があるのになかなか言葉が出てこない」というのは、該当する長期記憶がどの引き出しにしまわれているかを探しきれない状態なのだそう。

では、どんなタイプの情報なら、引き出しから取り出しやすい(=思い出しやすい)のでしょう?

「個人によって差がありますが、『人の顔』は特別思い出しやすいといわれています。顔の記憶に関しては特別な経路が脳内に存在している、という説もあるくらいです。あとは、風景や音楽、匂いなどは印象深く、記憶に残りやすいですね」

そういえば、筆者は中学時代の担任の顔をいまだに憶えているが、彼の授業で習った内容はきれいさっぱり忘れている…(それは別問題か)。視覚や聴覚など、五感に訴えるものは憶えやすい傾向にあるようだ。

「反対に、数字の羅列や聞きなれない外国語のスペル、漢字など2次元的な情報は、脳にとって区別がつきにくく、忘れやすい。変わった読み方をする名詞や数字の語呂などは印象に残りますから、語呂合わせの暗記法は効果があるようです」

とはいえ、取引先の人の名前など、憶えておかなければいけない事柄の大半は特に印象深くもない情報…。どうにかド忘れを防ぐ方法はないものだろうか。

「先ほどの『印象度』に加え、『重要度』『時間』の3つの要素がポイントです。たとえば、繰り返し書いて覚える暗記法は、脳に『重要度』を認識させているんです。また、『時間』という観点でいうと、長い間放置していた記憶はアクセスしにくくなるので、読み返すことで記憶を新たにすることが大切です」

やはり凡人が記憶を維持するには、「印象度」「時間」を使った地道な努力をするのが一番の近道なのかも。名前をド忘れして気まずい思いをしないように、コツコツ頑張ります!
(松原麻依/清談社)

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