世界最高のショコラティエに聞く!

「超高級チョコ」味と値段の秘密

2015.02.12 THU


小山氏が2014年に最優秀賞を受賞した「SENSE」。そのなかの1点「2コロンビア」は、わがままな女=シエラネバダ67%と、包容力のある男=トゥマコ66%という2種類のカカオを使用しているという
バレンタインが近づき、百貨店などで開催されているチョコレートフェアも賑わいを見せている。店頭には様々なブランドのチョコレートが並んでいるが、なかにはひと粒で数千円するような高級品も…。“ショコラティエ”と呼ばれる専門の職人がつくる高級チョコレートは、一般的な多くの市販の製品と何が違うのだろうか? 世界的なチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」で3度の最優秀ショコラティエ賞に輝いている小山進氏(パティシエ エス コヤマ)に伺ってみた。

「日本ではショコラティエもパティシエも同じようにとらえられがちですが、カカオを熟知するショコラティエのチョコレートは、パティシエがつくるそれとはまったくの別物。片手間にできるものではなく、さらには高度な技術、設備(温度管理)、専用の機械が必要です。たとえば、空気を入れずに綺麗に乳化させる(水分と油分をつなぐ)作業ひとつにしても高い技術が求められますし、それによって味も見た目も大きく変わります」

また、ひと粒に込められた“作り手の仕掛け”を堪能できることも、高級チョコレートならではの魅力だという。

「僕らショコラティエはひと粒のチョコレートに様々な仕掛けを施しています。小さい粒の中にいろいろな世界観を詰め込んでいるわけです。チョコレートは口の中に広がる芸術作品ですから、その個性もシェフによってまったく異なるものになります」

たとえば、2014年10月の「サロン・デュ・ショコラ パリ」のチョコレートアワードで最優秀賞を受賞した小山氏の作品「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2014〈SENSE〉」(1400円)は、個性の異なるチョコレート4点のセット。その中の1点は、下の層にフルボディのワインのような酸味があるカカオを使用し“クセのあるわがままな女性”をイメージ。上の層には、その女性を“おおらかに包み込むような男性”をイメージして、また違った種類の酸味をもつカカオをチョイスしている。こうした、各層に仕掛けられたショコラティエの意図を理解したうえで食べると、より美味しく感じられるという。

「一度そうした高級チョコレートを味わうと興味がわいて、他のショコラティエの世界観にも触れてみたいと思うのではないでしょうか。たとえば、同じ抹茶を使うにしてもフランス人の使い方と僕の使い方はまったく違う。いろんな作者のチョコレートを食べ比べてみるのもおすすめです」

また、なんといっても高級チョコレートには、職人がひとつひとつ手を加えた美しさがある。機械で大量生産されるものにはない手づくりの風合いも、大きな魅力のひとつだ。

来るべきバレンタインには、こうした“ストーリーのあるチョコ”をプレゼントしてみてはいかがだろうか? 意中の相手との会話も、より弾むかもしれない。

(榎並紀行/やじろべえ)

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