身体にまつわる都市伝説 第237回

口臭の原因は内臓にあるって本当?

2015.02.23 MON

身体にまつわる都市伝説


内臓疾患が口臭の原因となるのは、かなりの重症の場合であり、レアなケース。膿栓など他の原因を撃退していく努力を! (写真提供/わたなべ りょう / Imasia)
多かれ少なかれ他人と接する毎日を送っている以上、口臭チェックは大切な身だしなみの1つ。どれだけお洒落に着飾っていても、口から悪臭を放っていては台無しだ。

でも、朝晩の歯磨きだけでは口臭を完全にカットできないのもまた事実。一説には、内臓が悪いと口臭に表れるとよくいわれるけれど、本当だろうか? 『医者が教える、知らないと怖い50の真実』(SB新書)の著者である、内科医の酒匂常男先生に聞いてみた。

「たしかに内臓の病気が口臭の原因になるケースはありますが、それはいずれも肝硬変症や重度の糖尿病や腎機能障害など、かなりの重症を患っている場合の話です。実際には膿栓や歯間プラーク(歯垢)、蓄膿症など、内臓以外にも口臭の原因は多岐にわたっています」

「膿栓」というのは、多くは扁桃腺の小さな穴にたまった食べかすや細菌が固まったもののこと。何かの拍子に、喉の奥から飛び出してくるクリーム色の物体に、心当たりのある人は多いだろう。うっかり潰すととんでもない悪臭を放つ、アレである。

歯間プラークはまめな歯磨きでケアできるし、蓄膿症なら治療を受けるべき。やっかいなのは膿栓で、酒匂先生によると対処するには「扁桃腺を除去するか、気になるようなら耳鼻咽喉科で除去してもらうしかない」という。ちなみにお茶でうがいをすればカテキンの殺菌効果で膿栓を抑えられるという説もあるが、医学的な根拠はないそうだ。

「もっとも、膿栓で問題があるのは口臭くらいのもの。少し前に細菌への過剰な免疫反応が引き起こすⅠgA腎症、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)といった疾患と膿栓との関連がメディアで取り上げられたため、“膿栓は大変な病気だ”と思っている方も多いようですが、そういった疾患に発展するのはかなり稀なケース。私が日常的に診察している限りでは、健康面への悪影響はほとんど見られません」

健康面についての過剰な心配は無用だが、口臭も大事といえば大事。なお、耳鼻咽喉科で扁桃腺を除去してもらう場合は、保険適用にもなっているそうだ。
(友清 哲)

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