新社会人のモヤモヤを著名人が解決!

六角精児「20代のマネーライフ」

2015.03.02 MON


ろっかくせいじ 1962年兵庫県生まれ。82年、劇団善人会議(現・扉座)の旗揚げに参加。代表作にドラマ『相棒』シリーズ(テレ朝)の米沢守役など。初の著書『三角でもなく四角でもなく六角精児』(講談社・980円)は個性派俳優の個性的すぎるエッセイ集。「こんなヤツもいるんだと思ってもらえれば」と六角さん 撮影:堀 清英
最初にあらかじめ断っておくと、新社会人がマネできるような話ではない。六角精児さんの“お金”にまつわる経験と価値観は、あまりに型破りなものだから。でも、だからこそつかんだ真理がある。

「全体が10なら、酒が3、オシャレが2、ギャンブルが5。そんな “ろくでもない大学生活”」(本人談)を経て社会に出た。といってもやることが変わったわけではない。そもそも大学だって“卒業”したわけではないのだ。在学中から俳優として活動し、大学には「5年間在籍したけど、2年生にしかなれなかった」と笑う。

「とにかくパチンコでしたね。大学時代は実家から学校に行く途中、下北沢、新宿、高田馬場を通らねばならず、どこの店も『今日は出るよ』って顔で誘ってる気がする。で、誘惑に負けて行くわけですが、向こうも営利目的でやっている以上、こちらが負けることの方が多いわけで…。必然的に苦しいことになってくる」

パチンコで生活できたらどんなに楽しいだろう、いっそパチンコ台になりたいとすら思ったというが、もちろん世の中そううまくいくわけがない。

「負けたときは『2度とやるまい』と誓うんですけど、お金が入ると急に誓いを忘れるんです。悪循環ですよね。20歳のころに学生ローンでガバッと借りてすぐパンクしたのにね」

かくしていつのまにか30歳を超え、再び借金地獄に突入する。その借入高は、なんと1000万円オーバー!

「借金へのプレッシャーは感じていましたよ。でも切迫感より、たとえ借りた金でも、目の前に金があるというワクワク感が勝っていましたからね。そこで本気で悩んでしまうような人はお金なんてまず借りないでしょ」

ギャンブルのツキはあまりなかったようだが、仕事のツキには恵まれた。次第に仕事が入るようになり、40代でようやく完済。かくして六角さんの“反省の半生”は著書の『三角でもなく四角でもなく六角精児』にも詳しい。そんな壮絶な経験ならば、新社会人への「お金との付き合い方」のアドバイスは、“慎重に”かと思いきや…。

「使わなきゃダメですよ。甥っ子が16、7のころ、お年玉を貯めていると聞いて、『貸してくれとは言わない、頼むから使ってくれ』と言ったんです。若いうちは無茶して遠回りした方がいい。そこで痛い目に遭って、お金の大切さや危険さ、社会の厳しさがわかるんです。30過ぎて覚える遊びと犯す間違いはタチが悪いよ~。自分がどうなるかわからないうちに失敗するのは当たり前だし、どうせ迷惑かけるなら早い方がいい」

そうして人生に必要なバランス感覚が身につくというのだ。ゆえに六角さん、今でもしっかりギャンブラー。だけど、もちろん度をわきまえている。

「お金をかけた経験というのは、お金でしか得られないんですよね。そうして今がある。お金というのは、持ちなれない、使いなれないやつの元には寄ってこないんですよ」
(吉州正行)

※この記事は2013年2月に取材・掲載した記事です

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