新社会人のモヤモヤを著名人が解決!

松岡修造「メンタル強化の秘策」

2015.03.03 TUE


まつおかしゅうぞう 1967年東京都生まれ。95年、日本人男子として62年ぶりにウィンブルドンベスト8進出。プロテニスプレイヤーに加えスポーツキャスターなど幅広く活躍中。著書『挫折を愛する』 (角川書店) は折れやすい心を強くするためのヒントが詰まった1冊。「ぼくがどれほど弱いのかのほか、失敗しても生きていけるということがわかります」と松岡さん。820円 撮影:堀 清英
「仕事についていけるか不安」――ある調査によれば、昨年の新入社員の6割がそう答えたという。間もなく社会人になる皆さんだって、多かれ少なかれそんな不安を抱えていることだろう。

「でも、僕だって自信を持てたことなんて一度もないですよ。“勝って当たり前”のプレッシャーに押しつぶされ、格下に負けたこともある。むしろ僕のメンタル(の強さ)は平均以下だと思いますね」

誰もが認める「熱いオトコ」は意外な言葉を口にした。ケガを負いながらも、ウィンブルドンベスト8までいった輝かしい実績の持ち主で、常に己を鼓舞して逆境に立ち向かう熱血漢。だが、謙遜しているわけではない。

「たとえば北島(康介)さんですら心の弱さを口に出すし、『根拠のない自信を持つほかない』とまで言っています。イチローさんも柔ちゃん(谷 亮子)もみんな弱い部分はある。とことん練習してその弱さを克服する努力をしているんです」

トップアスリートを引き合いに出してそう言われたら、うなずくほかない。「でも会社員とアスリートとでは事情が違う」と言いたくなる人もいるだろう。だから松岡さん、こうも言う。

「ひとりひとりの置かれた状況はわからないし、無責任なこともいいたくない。僕に言えるのは“自分に対してベストを尽くせ”ということだけです。当たり前と思うかもしれないけど、たいていの人は全力を出し尽くしてないはず。でも、それでは弱さを克服できない。『これでいいかな』というレベルを超えて、狂う、打ち込むんです」

現役時代も、スポーツキャスターに転身したときもそう考えてきた。そこまで全力を尽くしても、結果がついてこないこともある。それでも失敗を恐れるな、という。

「とくに新人なんて、失敗しないわけがないし、周囲も失敗を前提に見守っているはずです。失敗しない人間は天才か、守りに入っているかのどちらかでしょ。天才はさておき、守りに入って、できる範囲しかやらないなんて面白くないし、そんな人間は会社だってお呼びじゃない。だからいろんなことにトライして、失敗すればいい。ただ、反省はしても後悔しちゃだめだし、真剣はいいけれど深刻にならないこと!」

深刻になるとメンタルにダメージを負う。ダメージを負うと失敗を避けたくなる。そうして人は守りに入る。だから「深刻」になってはいけない。不安を感じながらも、未知の世界に踏み出さないとメンタルは強くならないのだ。松岡さん自身、キャリアを重ねてきた今でも仕事に向かうときは緊張が付きものらしい。が、それでいいという。

「今までとまったく違う場所に身を投じるのは不安でしょう。でも全部が楽しいなんてありえない。

これまでの人生では、大きな挫折を味わったことがない人も多いと思います。でもだからこそ、今まで知らなかった『戦う』という実感、『自分が買われている』『成長している』ということを感じるチャンスだと思いますよ」
(吉州正行)

※この記事は2013年2月に取材・掲載した記事です

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