タバコのヤニ、画びょうの穴etc.

退去時の原状回復義務はどこまで?

2015.03.04 WED

部屋をキレイに掃除して退去したつもりなのに、戻ってきた敷金が少ない…そんな経験を持つ人も多いはず。敷金の戻り額は、部屋の原状回復義務を果たしているかどうかで決まるみたいだけど、そもそも「原状回復」って何? 敷金トラブルに関するプロ「敷金診断士」を養成するNPO日本住宅性能検査協会理事長の大谷昭二さんにお話をうかがった。

「原状回復義務の基本は、善管注意義務(人のものは大事に使う、手入れを怠らないなど、善良な管理者に通常期待される振る舞いのこと)に反するキズや汚れ、故意・過失による損耗について修復することです。掃除をろくにせずに退去した場合、クリーニング費用が発生するのは仕方ありません。自分で壊したものの修理が自己負担というのも納得できますよね。このような費用は敷金から差し引かれる場合が多い。しかし、自然損耗や経年劣化など、通常の使用をしていた場合に発生する損耗の補修は必要ありません」

なるほど。普通に生活するうえでの損耗は問題ないんですね。“通常の使用”の範囲の具体例をいくつか教えてください。

「壁や畳、クロスの日焼けは、自然損耗のためOK。たたみやカーペットについたタンスやベッドなどの跡もOK。貸主は上に物を置くことを見越しています。画鋲の穴もOKです。家賃の対価として部屋を自由に使っていいというのが原則。カレンダーを壁にはったりするのは、通常の使用の範囲内です。」

ほかにも、タバコのヤニは洗浄して落ちる程度であれば問題ないという。
では、カビなどの汚れはどうしたらいい?

「カビや油汚れなどの発生は、善管注意義務違反のため借主負担のクリーニングが必要。ただし、結露やカビについては建物の構造上発生しやすいケースもあるので、一概に入居者の責任とは言えない場合もあります。また、壁や床につけてしまったキズは、故意・過失による損耗のため借主負担ですが、ホームセンターで売っているグッズで自己修理をすれば十分。業者に依頼してしっかり修理したいと思うのは、あくまで貸主の希望です。もしもクロスなどの張替えが必要な場合でも、程度によっては一部張替えで済むこともある。退去時に貸主と一緒に立ち会って、修復の必要な箇所を確認したほうがよいでしょう。」

敷金は自分のお金。少しでも多くキャッシュバックを望むならば、まずは日ごろの手入れを心がけるのが肝心ですね。
(宮崎早香/DECO)

※この記事は2011年01月に取材・掲載した記事です

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