親に提案されたらどうする?

二世代負担「親子リレー返済」とは

2015.03.11 WED


住宅ローンを自分だけで負担するのではなく、親子共同で返済していくシステムはいくつかある。親子リレー返済もその1つだ。最初の何年かは親が払い、途中からそのローンを子が引き継ぐという形式で行われ、主に親との同居や二世帯住宅を選択する人に利用者が多い。親にとっては住宅ローン負担を子供とシェアできるというメリットがあり、子にとっては、収入が低い20~30代の間はローン負担を免れられるというメリットがある。

しかし、子から親にこの方法を提案するケースは少なく、ほとんどが親からの発案によるものだという。住宅ローンコンサルティングを行う「住まいと保険と資産管理」の飯田敏さんに詳しいお話を伺った。

「通常、一般的な民間住宅ローンでは、60歳を超えると借入できなくなります。また、60歳に近づくほど借入が難しくなります。フラット35のように仮に組むことができたとしても、80歳までに完済するようローンを組まなければなりません。なので、例えば定年退職を見据えて60歳近くでローンを組む場合は20年ほどで返済できるよう計画します。となると、どうしても年ごとの負担が大きくなってしまいますよね。その負担を軽減するために、親子リレー返済を使って、高齢でも長期のローン計画を立てようとする親御さんが多いんですね」

親子リレー返済では、契約の段階で親と子の負担割合を決めることはほとんどないので、親ができる限り返済してから子に引継ぐケースが多いとのこと。
ではもしR25世代が親からこの返済方法を提案された場合、どう考えるのが良いのだろうか?

「親子リレー返済ではほとんどの方が30年以上のローンを組んでいますが、それだけの長期になると、返済途中で転勤やら家族環境の変化やら、何かと変化が起きてくるもの。でもローンは払い続けなければなりませんから、引っ越しや新居を構えるのは大変ですよね。つまり、20代後半の時点で30年先までの人生設計が左右されてしまうんですよ。そういう意味で、私はあまりオススメしていません」(同)

しかも、ローンは契約時の親の収入をもとに組まれるため、子の収入に見合った返済計画にはならない場合も多いとのこと。また、収入が一時的に下がってしまうような転職も、当然しにくくなる。

「もっとも怖いのは親御さんがすぐに亡くなってしまった場合ですね。団体信用生命保険などに入っていればまだ良いのですが、それがないと親子分のローンを一人で負担しなければならなくなることもあります。高齢で申し込まれる方が多いので、実際にこのようなケースは数多くあるんですよ」(同)

確かに亡くなった場合のことを考えると、リスクが高い。さらに、相続の面でもトラブルになることが多いとか。

「親御さんがローン対象の住居を誰に相続するか、遺書などで明確にしておけば良いのですが、それがないとローンを支払っていない他の兄弟が相続権を主張することもあり得ます。その結果、もし住居が兄弟名義になってしまうと、ローンを支払っているにもかかわらず、他の兄弟の住居持ち分に相当する額をさらに支払わなければならない可能性も出てくるんです」(同)

このような問題は過去に何度もあったようだ。世代をまたぐということは、相続面でも細心の注意を払わなければならないということか。

ローンの負担を親子で分かちあえるというメリットは確かにあるものの、もし親子リレー返済を持ちかけられたら、起こりうる様々なリスクをしっかりと調べた上で決めた方が良さそうだ。
(河合力)

※この記事は2011年06月に取材・掲載した記事です

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