会社を辞めて独立するなら要注意

「脱サラ→フリー」出費の落とし穴

2015.03.28 SAT


平成26年からは全ての個人事業主に対し「帳簿の記帳・帳簿等の保存制度」が義務化される。毎日の収入や経費などを記帳したり、書類を保存したりといった仕事もフリーの場合は自分で行うことになる。フリーの道を選ぶ前には、こうした手間もふまえて検討したい
ノマドやフリーランス、在宅勤務など、ワークスタイルが多様化している。賛否両論あるものの、ほぼサラリーマン一択だった時代に比べ、働き方の選択肢は確実に広がっている模様。将来、独立を見据えているサラリーマンにとっては歓迎すべき世の流れといえるかもしれない。

ただ、気楽なように見える脱サラ組にも、会社員時代とはまた別の悩みがある。特に多くのフリーランサー(以後、フリー)が口をそろえるのが「フリーはお金がかかる」ということ。独立前には考えもしなかった「思わぬ出費」に苦しむフリーは多いようだ。

例えば、2年前に脱サラしてフリーライターになったIさんは「サラリーマン時代は『経費=コスト』なんて感覚はまったくなかった。フリーになって1年目もそんな軽い意識で仕事をしていましたね。で、初めての確定申告で経費の計算をしてみたらビックリ。交通費だけで年間10万円近くかかってた。取材で都内をちょこちょこ移動してただけなんですけどね…」

細かい日々の出費も積もり積もるとバカにならない。2年目以降はどんぶり勘定を改め、取材でかかった交通費もその都度しっかり計算。原稿料とともに請求するようになったという。

サラリーマン時代は会社が代わりに払ってくれていた「税金」や「社会保険料」も、フリーになると自分で納めることになる。そんな税金の徴収システムを知らないと、思わぬ落とし穴にハマることもあるようだ。

「独立1年目から仕事は順調で、収入がサラリーマン時代の倍くらいになった。利益もかなり出たのでPCを買い替えるなど、2年目に向けてかなり派手に設備投資したんです。そしたら、その1カ月後に住民税の請求書が届いて…。恐る恐る開けたら目を疑うような額でした。すぐPCを売りましたよ…」(30歳・プログラマー)

個人住民税は前年1年間の所得を基準に税額が算出される。独立1年目の所得に対する通知書が届くのは翌年の6月と、まさに「忘れた頃」にやってくるのだ。脱サラにより収入が倍増したとしても、ある程度は貯蓄しておかないと税金が払えなくなってしまう。

また、フリーに義務付けられているのが確定申告。申告期限に遅れてしまったために、思わぬ出費をするハメになった人も。

「1年目は忙しくて、確定申告をスル―してしまったんです。でも税務署から何も連絡がなかったので、すっかりそのまま放置してしまって…。連絡が来たのは半年後。延滞税など、高級ディナー2~3回分くらいのペナルティがかかりました」(33歳・美容師)

いくら仕事がデキても、経費や税金というコストをきちんと管理できなければ、フリーで食べていくのは難しい。独立を考えるなら、こうしたわずらわしさも踏まえたうえで判断する必要がありそうだ。
(榎並紀行/やじろべえ)

※この記事は2013年3月に取材・掲載した記事です

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