一人暮らしに朗報!

カスタマイズOKな賃貸物件が増加

2015.03.31 TUE


部屋の壁面にふぞろいの板を打ち付け、手製の棚を作った例。長く使いこまれた調度品や骨とう品を集めるのが趣味という借り主が、世界各地で買い集めた品が飾られている。居室のレトロ感とマッチして趣あるスペースに空間に仕上がっている。
お洒落なデザイナーズマンションを借りる余裕はないけど、少しでも個性的な部屋に住みたい。そんな人に耳よりの新潮流が賃貸住宅市場に生まれつつある。それが「賃貸カスタマイズ」だ。

一般的な賃貸住宅の場合、借主は退去時に「原状回復義務」を負うため、壁に釘1本打つのも気を遣う。ところが最近は「改造OK」をうたい、原状回復を求めないケースが増えているのだ。

たとえばUR都市機構の「カスタマイズUR」は、リビング・ダイニングに原状回復の義務を免除した壁を設け、入居後も「壁紙を貼る・色を塗る・棚を付ける」といったカスタマイズを入居者が自由にできる。

レオパレス21の「お部屋カスタマイズ」も、壁紙の選択や落書きなどが認められ、壁を塗ったり、棚を取り付けたりすることが可能。このケースのように、自分で改造するだけでなく、入居前に壁紙や床材を選ぶなどして、リフォームプランを指定するタイプのカスタマイズ物件も人気を博している。(ただし後者の場合、入居後の改造はNGとなる場合も)

こうした物件が登場している背景について住宅情報サイト「SUUMO」編集長の池本洋一氏はこう語る。

「都市部でも空室率が上昇するなか、物件オーナーや管理会社は、新たな入居者を獲得するため様々な対策を講じています。リフォームや初期費用を抑えるといった対策に加え、新たな付加価値として『改造OK』を売りにすることが狙いなんです」

実際、「2011年カスタマイズに関するカスタマー調査」によると、約90%の人がこれまで部屋のリフォームやカスタマイズを行いたいと思ったことがあると回答。

また、セキスイハイムが2011年7月に行った「2011賃貸住宅の入居者ニーズ実施調査」では、今後10年くらいを想定して賃貸住宅に住みたくないと答えた人の理由は「賃貸だと手を加えたり、自由に変更できない」が52.6%で断トツ。やはりリフォームができないことへの不満は大きかったようだ

実は欧米では、賃貸物件の入居者が壁の色を変えたり、棚を取り付けたりするのは、ごく一般的なこと。日本ではDIY志向の高まりに、「空室率」上昇という地殻変動が重なって、ようやく「賃貸カスタマイズ」という新たな土壌が育まれたわけだ。

こうしたニーズの高まりを受け、「SUUMO」ではこれまで設けていた「カスタマイズOK」な賃貸物件の特集ページを、より探しやすいようにリニューアル。従来は「エリア」単位でしか物件を一覧表示できなかったが、カスタマイズ物件を取り扱う事業者ごとに物件を一覧表示できるように変更した。

また、「賃貸カスタマイズ」を大きく4種類に分けてピクトアイコンで表示し、利用者がそれぞれのニーズにあった「カスタマイズ可能な賃貸物件」を探しやすくしている。

空き家が社会問題化する中、3月20日、国土交通省は“借主負担DIY”の賃貸借契約を認める新たな指針を打ち出した。これにより原状回復なしで自由にカスタマイズできる物件の数は大きく増える。兆しレベルの「カスタマイズ」が将来は当たり前になる日がきっとやってくる。あまりお金はないけど、できれば人と違うオシャレな部屋に住みたいという人にはピッタリだろう。自分なりのこだわりをプラスした部屋で新生活をスタートさせてはいかがだろうか?
(目黒 淳)

※この記事は2014年3月に取材・掲載した記事です

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