身だしなみは生き残るための“ビジネススキル”

中年オヤジにメンズ美容ブーム到来

2015.03.23 MON


リクルートBeauty総研の調査によると、「今後使ってみたい(美容にまつわる)モノ・サービス」として、「パック・毛穴パック」「香水」を挙げる男性もそれぞれ1割を超えたとか。 ocsa / Imasia(イメージア)
外見にこだわる男性像「メトロセクシュアル」が一部の“(美)意識高い系”男子に注目されたのが2000年代初頭のこと。それから10数年、男性たちの“見た目”意識は着実に高まっているようだ。

実際、メンズコスメ・スキンケア市場は活況を呈しており、この10年で市場規模は約2倍に拡大(経済産業省 生産動態統計調査「男性皮膚用化粧品・出荷額」より)。コスメ・スキンケアのみならず、エステや脱毛など、従来は“女性向け”と思われていた市場にまですそ野を広げている。そして今、「メンズ美容ブーム」の波は“横(対象分野)”に加えて“縦(対象年齢)”にも広がりを見せているという――それが中年男性への広がりだ。

「これまで“メンズ美容市場”といえば、主に20代が主戦場でした。ところが最近、30代後半~40代前半の“ミドルエイジ”の会社員たちも“身だしなみ意識”が高まってきています。リクルートライフスタイルBeauty総研が20歳~59歳の男性就業者に行った調査では、25~34歳の『ケア実施率(※)』が59.2%だったのに対し、35~44歳も59.3%と同水準。若い時からファッションや男性用コスメに親しんできた団塊ジュニア世代が中年期を迎え、“見た目”意識の高い年齢層が広がっているのです」(リクルート Beauty総研・齋藤陽子副センター長)

この歳になると、体臭や体型、肌質の変化など加齢による衰えが気になりだすもの。Beauty総研の調査でも、「男の曲がり角=36.7歳」とする男性意識を表すデータがある。アンチエイジングという観点で“見た目”意識が高まるのは必然だろう。

彼らの美容意識の高まりには「職場環境の変化」も影響していると斎藤さんは分析する。職場に女性が増えたことで、身だしなみをチェックする目が厳しくなったことが、彼らを“ケア”に駆り立てているのだ。事実、雇用者総数に占める女性の割合は年々増え続け、今や約半数に迫る。

「働く女性に『職場の男性の第一印象で大事なことは?』と尋ねると、1位は『清潔感がある(服装や臭いケアなどの身だしなみ)』となり、9割を超えます。また、女性は身だしなみのチェックが男性より約1.3~1.5倍ほど厳しいことも分かりました。こうした女性の視線を意識してか、女性比率の高い職場では、男性の身だしなみ意識が高まるというデータも出ています。中年にさしかかった男性にとって、“身だしなみ”はマイナスをゼロにし、周囲とうまくやっていくために必要な“ビジネススキル”のひとつともいえます」(同)

ちなみに、「顔や体について気になる部分」を中年男性に調査しところ、TOP3は以下のようになったという。

1位 「体臭・口臭」(32.5%)
2位 「体の肌質(テカリ、ベタツキ、肌荒れなど)」(26.1%)
3位 「体型・スタイル」(25.2%)

こうした意識変化を受け、美容業界もミドル男性向けの新たなサービスを開始している。

「グルーミング専門店『グルステ』には、顔からボディまで20カ所以上の脱毛メニューが用意されています。ネイルケアやフェイシャルメニューもあり、価格もリーズナブル。最短15分のメニューもあるなど忙しいサラリーマンでも通いやすいのがポイントです」

従来は美容室に客をとられていた「理容室」も、こんな“逆襲”に出ているとか…

「銀座や新橋など都内に10店舗を構える『ヘアーサロンHIRO GINZA』は、いわば“おしゃれ理容室”。年齢が上がると美容室には行きにくい…という男性から支持されています。定番のカットやパーマ、カラー、白髪染めに加え、ヘッドスパ、ネックリンパ、超音波エステといった多彩なオプションメニューを用意。価格も20分2000円からと安く、サクっと身だしなみを整えたいサラリーマンにも人気です」(同)

このほか、男性用化粧品メーカーのマンダムが昨年6月から実施する企業向け「においケアセミナー」は、わずか半年で10社・約1500名が受講。企業単位で“スメルハラスメント”に取り組む動きも活況だ。

もはや性別・年齢を問わず、身だしなみは“職場のマナー”。「男のくせに…」なんて言っていると“時代遅れ”と 笑われちゃうかも。なにせ「これからは“サバ美ーマン”の時代」(斎藤さん)。昭和世代のおじさんたちはお気を付けあれ!
(榎並紀行/やじろべえ)

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト