身体にまつわる都市伝説 第240回

寝言に返事をするとどうなるの?

2015.03.25 WED

身体にまつわる都市伝説


レム睡眠中、人は外部の音を聞いている。だからといって、話しかけたり寝言に返事をかえしたりすると、睡眠の進行を妨げることになるのでご注意 (写真提供/madhourse / Imasia)
夜、隣で寝ているパートナーが突然言葉を発し、驚いた経験はないだろうか。いわゆる寝言である。思わず返事をすると、それに対する返事がかえってくることもあり、「なんだ、起きてたの?」と話しかけても当人はグッスリ…なんてことも。真夜中の微笑ましい出来事である。

しかし、昔から寝言に返事をすると心身に悪影響をおよぼすという説も耳にする。これは事実なのだろうか? 作業療法士の菅原洋平先生に聞いてみた。

「寝言に返事をするのは、決していいことではありません。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があることがよく知られていますが、寝言が起こりやすいのは眠りが浅いレム睡眠時のこと。人はレム睡眠の時、外部の音を“聞いて”います。これは人間が動物だったころの名残で、就寝中でも外部を監視し、外敵が現れたらすぐに反応できるようになっているわけです。そのため寝言に対して返事をしたり、あるいはこちらから話しかけたりすることで、寝言を誘発しやすくなります。結果としてレム睡眠の時間をムダに増やし、そのあとに訪れる体の回復を促す深い眠りを妨げてしまうんです」

ちなみに、寝言もあまり度が過ぎるとストレスや心の病気の前兆ではないかと不安になるが、そこまで心配することはないという。

「レム睡眠には、日中に体験した記憶から感情的な記憶を削ぎ落とす役割があります。その過程で体験を再生し、私たちは夢を見ますから、時に夢見が悪くてうなされたり、無自覚に言葉を発したりしてしまうことがあるんです」

何か感情を大きく揺り動かされるような体験をした日には、レム睡眠が普段より長めになるという。寝言自体は自然な現象のひとつだから、「週に何度か寝言が出る程度なら、さほど気にする必要はありませんよ」とのことだ。
(友清 哲)

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