身体にまつわる都市伝説 第144回

加齢による物忘れは避けられない?

2015.04.08 WED

身体にまつわる都市伝説


まだまだ研究途上のジャンルであるため、未解明のことも多い脳の機能。諸説あるが、その神経細胞が年々減っていくことは誰しも避けられないようだ 写真提供/PIXTA
「どうも最近物忘れが激しくて…」などと、まるで老人のようなことをいう20~30代は、案外珍しくない。たしかに10代のころには、知人の名前が咄嗟に出てこなかったり、昨日食べた晩御飯がすぐに思い出せなかったりすることなんて、ほとんどなかった気がする。

脳というのは年を取るごとに衰えるとも聞くし、これはしょうがないことなのだろうか? だとしたら、こうしているいまもどんどん脳はしぼんでいっていることになるが…。果たして、真相は?

「いろんな切り口で書かれた論文があるので諸説あるように思われがちですが、こと脳細胞に関していえば、加齢とともに多少なりとも減っていくのは事実です。個人差はありますが、脳は年を取るごとに少しずつ萎縮していくもので、これを医学的には『大脳萎縮』と呼びます」

そう解説するのは、新宿ライフクリニックの須田隆興先生だ。大脳萎縮とは、何やら深刻な病名のようで恐ろしいが、須田先生によれば、これはすべての人に等しく表れる現象だという。

「大脳萎縮は、大脳の神経細胞の減少と、神経膠線維(しんけいこうせんい)の増加によって起こるとされ、過度な大脳萎縮が認知症の原因になり得ることも判明しています。しかし、これは特別な疾患ではありません。年齢によって減少速度にもばらつきはあるようですが、高齢者にはよく見られる老化現象のひとつです。脳細胞が減少することで年々、脳機能が弱まるのはやむを得ないことですね」

ちなみに、脳は部位ごとに様々な役割を担っているが、人の意欲を司るとされる前頭葉は、神経細胞が減りやすいと須田先生は語る。年を取るごとに物事に対する積極性が失われていく傾向があるのは、そのためかもしれない。
(友清 哲)

※この記事は2013年4月に取材・掲載した記事です

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