大切なのは自分のパターンを作ること…

実は未解! 集中のメカニズム

2015.04.20 MON


大切な仕事に取り組むとき、人は「集中力を高めたい」と思うもの。しかし、一人で仕事に打ち込もうと思ってもなぜかはかどらなかったり、期限ギリギリになってからやっと集中できたりと、なかなか思い通りにはいかない人も多いはず。なんとか集中を高める術を身に付けたいものだが…。そもそも「集中する」とはどのような状態をいうのだろうか? 

「集中している場合には、脳からα波が出る、あるいはドーパミンが分泌されているなどといわれていますが、心理的には余計な言語的思考が存在せず作業や行為に没頭している状態になります」

お答えいただいたのは、集中力トレーニングの講座などを持つ日本心理教育コンサルティング代表の櫻井勝彦さん。「余計な言語的思考が存在しない」とは、作業中に「成功させたい」「失敗したら…」などの雑念が湧かないだけでなく、次に行う動作をあれこれ言葉で考えることなく実行する、いわば無心の状態だという。

「集中が極限に達する状態については、脳がどのような動きをしているのかまだ完全には分かっていません。ですが、いずれにせよ集中が高まると脳の動きが高速化し、情報処理機能が活発になると考えられます。スポーツ選手がよく『スローモーションに見えた』というのは、視覚で捉えた情報を脳が高速で細かく処理している結果でしょう」(櫻井さん)

パソコンでいえば「CPUの処理速度が上がった状態」で、もちろん個人差はあるが、普段よりも短時間で様々な情報を吸収・理解し、まとめられるようになるとのこと。では、そんな集中状態を作りやすい環境はあるのだろうか?

「まずはその作業を少しでも『好き』になること。科学的には、脳が働きやすい環境は温度20度、湿度40%だという研究結果がありますが、これらは人により大きく異なります。音楽を流すと集中できる人もいれば、静かな方が集中できる人もいるように、自分にもっとも快適な環境を日々探すことがポイントです」(同)

自分でも気付かないほどの小さなストレスが集中力に影響することもある。たとえば1人きりになるとかえって作業がはかどらない人は、実は自覚できないレベルで寂しさや人のいない不安を感じている可能性があり、それが集中力の低下をもたらしているかもしれないとのこと。

「一般的に、人は追い込まれるほど集中力が高まるので、期限ギリギリまで手を付けないのはある意味集中するための手段ともいえます。であれば、締切前日にあえて遊ぶ予定を入れるなどして、早めに自分を追い込んでみるのもいいかもしれませんね。必要なときに集中できるようになるには、いかに自分を追い込むか考えることも大切です」(同)

集中できる環境や心理を知るには、まず自分の性格を熟知すること。とりあえずは自分が今までどんな状況下で高い集中力を発揮してきたのか、思い返してみることにしよう。
(河合力)

※この記事は2012年4月に取材・掲載した記事です

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