身体にまつわる都市伝説 第242回

寝ながら料理も?夢遊病の原因とは

2015.04.08 WED

身体にまつわる都市伝説


夜中に暴言をはいたり、パスタを茹でて食べたり…。睡眠の乱れが、深夜の異常行動につながることがあるのでご注意 (写真提供/artfoliophoto / Imasia)
起き抜けに寝ぼけてしまうことは誰しも1度や2度は経験しているだろうが、なかには夜、眠っている間に無意識のままうろうろと歩きまわる…なんて人もいると聞く。いわゆる夢遊病の類だが、こんなことが実際に起こり得るのだろうか? 作業療法士の菅原洋平先生に聞いてみた。

「それはレム睡眠行動異常症と呼ばれるものですね。男性に多いのが、突然暴言をはいたり、壁を殴ったりするケース。女性の場合は“食べる”行為に表れることが多く、夜中に無意識のまま冷蔵庫から食材を取り出して食べたり、極端な例では夜中に寝たままパスタを茹でて食べた、などというケースも実際にありました」

パートナーが夜中に突然調理を始めたら、びっくりして眠気も吹き飛んでしまいそう。なぜこんなことが起こるのだろう?

「人の脳はレム睡眠中、その日の記憶や感情を整理して定着させようと活発に働いていて、これが夢に表れます。そのとき、本来は筋肉が弛緩して夢の内容が行動に表れることはないのですが、健全な睡眠を確保できていない場合など、ときに筋肉が運動を司る神経と接続してしまい、普段から習慣付いている動作が自動的に“出力”されてしまうことがあるんです」

この場合、無意識化の行動はあくまで習慣化したものにかぎられ、初めて行うような行為は表れないのが特徴だと菅原先生は語る。

「こうしたレム睡眠行動異常症の多くは、眠りを浅くするいくつかの“NG習慣”によって引き起こされます。たとえば深酒をしたり照明をつけっぱなしで寝たり、あるいは体が冷えた状態で眠ったり。また、夫婦で寝室を共にしている場合、お互いの生活サイクルがズレていて、熟睡した頃に相手が帰ってきて起こされてしまう…という環境も原因になりがちです。こうしたNG習慣や睡眠不足が慢性化し、長く放置されるほど行動が派手になる傾向が認められていますから、思い当たる人はすぐに改善に努めた方がいいでしょう」

菅原先生によれば、NG習慣の改善によって異常行動が収まるケースは多いという。それでも治らない場合は、大事に至る前に専門医の診断を仰ごう。
(友清 哲)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト