ピロリ菌がいるかどうかで決まるらしい

「ストレスで胃に穴が空く」は嘘?

2015.04.15 WED


ピロリ菌に感染しているかどうか検査をして、感染していなければひと安心! …ですが、いうまでもなくストレスはためないようにしたいものです 画像提供/すなべしょう / PIXTA(ピクスタ)
仕事にストレスは付き物だが、新年度になって職場環境が変わったりすると、ふだん以上にストレスがかかるもの。そういえば、「ストレスで胃に穴が空く」なんて聞くこともあるが、あれは本当なのでしょうか? 内科医でイーク丸の内の院長・野口由紀子先生に、ストレスと胃の関係について話を聞きました。

「胃潰瘍で胃に穴が空くことはありますが、かなり悪化した症状。胃潰瘍の原因はたいていがヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)で、ピロリ菌感染が無ければ、いくらストレスを感じても、そうそう胃潰瘍になることはありません」

同じくらいのストレスを感じていても、胃潰瘍ができる人とできない人がいるのは、ピロリ菌がいるかいないかの違いでしかないとか。ピロリ菌を除菌すると、胃潰瘍になりにくくなります。なお、胃潰瘍で胃に穴が空くことを胃潰瘍穿孔といい、緊急手術になるそうです。

では、ピロリ菌を除菌しないとどうなるのでしょうか?

「ピロリ菌を持っていても何も症状が出ない人もいますが、萎縮性胃炎という慢性胃炎を起こし、それが進行して重くなるほど発がんのリスクが高くなります。胃がんになるかどうかは、ピロリ菌がいるかどうかでほとんど決まりますね。なので、胃がんを予防したければ、まずピロリ菌を除菌しましょう」

また、ピロリ菌の感染経路は、経口感染と考えられているそう。最近は衛生状態の改善に伴って感染が減っており、20代の感染率は10%台だそうです。では、今ピロリ菌を持っていない人でもこれから感染する可能性があるのでしょうか?

「5歳までに母親や周囲の大人から、食べ物や食器などを通して感染するといわれていて、基本的に大人になってからの感染はまれ。感染している人は、小さな子供にうつしてしまう恐れがあるので、口移しで食べ物をあげたり、同じお箸で食べさせたりしないように注意する必要がありますね」

ちなみに、ストレスで胃が痛くなることが無いかといえば、もちろんそういうわけではないそう。胃痛で検査をしてみても、胃そのものには異状が見られないこともあり、そういった症状は「機能性ディスペプシア」と言われているそう。

「ストレスを感じたことで、脳が胃や腸に痛みを感じる命令を間違えて出している状態です。最近は、これを改善するための薬も出ています」

もし胃痛がひどい場合は、ストレスのせいと放置せず、一度内科や消化器科などを受診してみたほうがいいかもしれません。

(相馬由子)

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