身体にまつわる都市伝説 第247回

プチ断食が健康にいいって本当?

2015.05.11 MON

身体にまつわる都市伝説


飽食の健康面、美容面でのプラス効果には疑問あり。断食とまではいかずとも、“腹八分目”を徹底するのがいいのかも (写真提供/すなべしょう / PIXTA)
昔から、食事は腹八分目が理想だといわれるが、最近では節食どころか美容やダイエットの目的から、期間を限定した“プチ断食”が流行っているという。まさしく、飽食の時代ならではの健康法だろう。

でも、ドリンクなどで最低限の栄養は確保するにしても、食べないことが本当に美容や健康にプラスになるのだろうか? 東京大学・分子細胞生物学研究所の小林武彦先生に聞いてみた。

「昔から僧侶が修行の一環で断食を行ってきたように、空腹が脳や五感を研ぎ澄ませる効果があるのは事実です。皆さんも食べ過ぎて血糖値があがると、頭がぼーっとして働かなくなることがあるでしょう。ただ、まったく食べないことが美容や健康にいいかというと、明確な科学的根拠は乏しい、というのが実情です。1つだけ確かなのは、エネルギーを摂取してそれを燃やすという行為には一定の負荷が生じますから、年齢や体の状態に合った食事量を心がけることが大切であるということ。成長期の子供は別として、大人であれば腹八分目、七分目くらいを心がけるのが理想だと思いますよ」

自動車にたとえれば、大量にガソリンを燃やしてエンジンをまわし続けることは、車体に負荷をかけ、劣化を促す。人の体にも同じことがいえるのだと小林先生は解説する。

「そもそも日本や欧米において現代人は、慢性的に食べ過ぎの状態にあります。猿を使った研究でも、食事量を抑えることで長寿になったり健康になったりする結果が得られています。人は加齢とともに基礎代謝量が低下しますから、無理なく年齢に合った食事量にとどめることがアンチエイジングにつながる可能性はあるでしょう」

つまり、断食とまではいかなくても、毎日の食事をちょっとずつ抑える努力をすること。あるいは、加齢によって低下する基礎代謝を筋トレや適度な運動などでカバーするのは、アンチエイジングとして有効だと小林先生は補足する。やはりモノを言うのは日々の節制なのだ。
(友清 哲)

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