ライバル登場はホンモノの証!?

「メジャー」のカゲにライバルあり

2015.05.13 WED


1997年の初登場以来、ライバルと競い合うことでハイブリッド車の市場を拡大してきたプリウス。今やハイブリット車の“メジャー”に成長したその背景には、緻密な戦略が隠されていたんですね!
ある分野でヒット商品が誕生すると、なんだかよく似た商品が続々登場し、間違えて類似品の方を買ってしまった…なんて経験はありませんか? 

「これまでにない新商品を投入して市場の開拓に成功すると、その後は商品の認知度が高まって成長期を迎えることになります。成長期においては、プロモーションに多額のコストをかけなくても商品が売れるようになるので、自然と利益率が高まりますが、同時に始まるのがライバル企業の参入です」

そう語るのは、マーケティング・コンサルタントの安部徹也さん。

「新市場の商品は、先進層からの評価が定着したタイミングで、消費の中心が一般大衆層に移行します。これにより市場は急速に拡大しますが、その拡大市場に注目する他の企業が、続々とライバル商品を投入し始めます。この場合、消費者は選択肢が増えたり、ライバル企業同士での競争激化によって、より質の高い商品がより安い価格で購入できるようになったりと、多くのメリットがあります」

消費者にとっては恩恵が多いものの、その市場で一番の“メジャー”商品と認められるために激しい競争を繰り広げなくてはならい企業側にとっては、不利益が多そうですね。

「いえ、むしろライバルとなるアイテムの登場は、市場を拡大させた事例の方が多いですね。様々な企業が参入することで市場が活性化すれば、自分たちの商品が消費者に“メジャー”として認められた場合のリターンもそれだけ大きくなるからです。なかには、戦略的にライバル企業の参入をうながすケースや、ときには自社内でライバル製品を作り出すことさえあります」

自社内で市場の競争をうながし、成功した例として有名なのが、トヨタのハイブリッド車「プリウス」。トヨタは「プリウス」のライバルとなるハイブリット車「アクア」を登場させ、ハイブリット車の市場競争を激化させることで、マーケットの拡大と「プリウス」のさらなる商品価値の向上を実現させました。今では、「プリウス」の名はハイブリット車の代名詞となるくらい“メジャー”化していますよね。

「ただ、その場合はカニバリゼーションと呼ばれる“自社製品による共食い”に細心の注意を払わなければなりません。一般的には、後から投入したコストパフォーマンスの高い新製品に売上が流れ、全体的な売上低下につながることもあるからです。このようなカニバリゼーションを避けるためには、従来の主力製品から新製品にどのくらいの売上が流れていくのかを事前に見極めておく必要があるはずです」

うーん、なるほど! “メジャー”商品が誕生するまでの背景には、ライバルとの激しい競争や、緻密な戦略があったんですね! 他社からの参入はもちろん、自社からもライバルを作り出し、その質を高め続けてきたプリウス。今後も続くライバルとの競争のなか、“メジャー” ハイブリット車としての矜持をどんな形で見せてくれるのか、注目です!

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