身体にまつわる都市伝説 第248回

失言が増える理由は加齢にあった?

2015.05.20 WED

身体にまつわる都市伝説


年を取ると、その場にそぐわない言動が増えることがある。これは大脳皮質の衰えが原因だったのだ (写真提供/freehandz / PIXTA)
政治家などそれなりの立場にある人物が、失言でその地位を追われることがある。マスコミによる揚げ足取りのようなケースも少なくないが、「本気で言っているのか!?」と耳を疑うような不適切発言が飛び出すことも。

こういう失言の頻度が多いと、「老害」などと揶揄されてしまうわけだが、実際、失言はお年を召した方に目立つような気がするのはなぜだろう? 作業療法士の菅原洋平先生に聞いてみた。

「年齢を重ねると“抑制”が利きにくくなり、そのシーンにふさわしくない言動がつい出てしまうことがあります。これは大脳皮質の衰えに原因があるといわれています。人間の脳は、その場その場での反応を常に一瞬保留し、適切なアクションであるかどうかを判断したうえで、行動としてアウトプットしています。たとえば喉が渇いているときに目の前に水の入ったコップが置かれていたら、それが他人のものであっても脳はいったん手を伸ばそうとさせているんです。しかし、それを上回るスピードで“それは他人のものだから飲んではいけない”と抑制をかけているため、人は適切な行動を維持することができるわけです」

大脳皮質とは、大脳の表面を覆っている神経細胞の塊のこと。100億以上の神経細胞で構成され、人間の思考や言語機能を司る重要な部位である。この大脳皮質の活動が老化によって弱まると、抑制する力が衰えるのだと菅原先生は解説する。

「そのため、たとえば街中などで目についたものにすぐ反応してしまい、結果として場に適さない言動が増えることがあるんです。人によっては口うるさくなったり、独り言が増えたりすることもあるようですね」

たまに実家に帰ると、親が妙に口やかましく思えたりするのは、老化によって思ったことを抑制できずにぽんぽん吐き出されるためかもしれない。ならば、反発せずに優しく聞き流してやるのが親孝行というものか。
(友清 哲)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト