ホンモノはホンモノを生み出す!

「メジャー」が生み出す横展開の力

2015.05.20 WED


今やハイブリット車の“メジャー”に成長したプリウス。その背景には、緻密な戦略が隠されていたんですね!
新商品が大ヒット! ある分野において“メジャー”ブランドとしての地位を獲得できたら、そこで満足してしまいそうなものですが、企業戦略における正解はどうやら違うようです。

「圧倒的な認知度を誇るブランドとして消費者に受け入れられた場合、その“メジャー”ブランドを核にした新製品のラインナップを拡充していくという戦略が効果的です」

そう語るのは、マーケティング・コンサルタントの安部徹也さん。

「新製品戦略は“ブランドエクステンション”と呼ばれ、代表的な事例としては、世界初の一般向けの市販レトルト食品、大塚食品の『ボンカレー』や、初のハイブリット車・トヨタの『プリウス』などが挙げられます。『ボンカレー』は1968年の登場からメジャーなブランド化を果たし、その後『ボンカレークラシック』『ボンカレーネオ』『The ボンカレー』など、新商品を次々と作り出しました。ブランドエクステンションを繰り返し行うことで、多くの消費者に支持される“メジャー”ブランドの地位をより強固なものにしてきたのです」

ブランド力をさらに強めるために、メジャーなブランドを利用した横展開が重要なんですね。

「ただ、ブランドエクステンションの最大のメリットは、リスクを最小限にして、より売上アップを図れることです。通常、企業にとって新製品が売れるかどうかは市場に投入してみなければわかりません。しかし、すでにメジャー化したブランドから派生した新製品であれば、市場での認知度は最初から高い水準にあり、ファン層の購入もある程度見込めます。さらに、横の広がりで新たな顧客層を開拓することもできるので、大きな失敗につながる可能性は低くなるというわけです」

消費者にも企業にもメリットがありそう!

「また、ブランドエクステンションは製品の“寿命”を大きく伸ばす、つまりメジャー製品のロングセラー化にも貢献します。最近では、新製品が顧客に飽きられる期間も極端に短くなってきています。この顧客の飽きを防ぐ意味でも、常にリスクは最小限に抑えつつ、新たなチャレンジを続けて、顧客に“新鮮な驚き”を与え続けることが重要な鍵を握ることになるのです」

現在プリウスは3代目! 確かにロングセラーといえそうです。

「ブランドエクステンションの戦略で重要なのは、派生製品でもコンセプトをしっかりと確立し、統一された世界観の下、実施していくことです。そういった意味で“環境にやさしい”という共通の世界観で生まれたプリウスやアクア、燃料電池自動車のMIRAIなどはブランドイメージをより一層強化する格好のケースといえるのではないでしょうか」

1997年の登場から進化を続けるプリウス。ハイブリット車の「メジャー」から目が離せませんね!

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