「美味しく食べられる期限」だから「消費期限」とは違うけど…

「賞味期限」切れた食品の寿命は?

2015.06.01 MON


賞味期限の記載がないものは「カビが生えているかどうか」が、安全性をはかるポイント 画像提供:レット / PIXTA(ピクスタ)
食中毒菌の繁殖が活発になる梅雨時は、食の安全に気をつけたいところ。そこで気になるのが食品の「期限」だ。ご存じの通り、ほとんどの食品には「消費期限」か「賞味期限」が表示されている。前者は「安全に食べられる期限」、後者は「美味しく食べられる期限」とされており、前者はわかりやすい。問題は後者のほうで、「賞味期限が切れた食品はいつまで食べられるのか?」と気になることがある。

「賞味期限が切れても風味が損なわれるだけで、食べられる」という話も聞くが、賞味期限を過ぎてしまうと、食べることに抵抗を感じる人は多いようだ。とはいえ、捨てるのももったいない…。とくにひとり暮らしの場合、調味料などは賞味期限内に使い切れないことが多いはず。そこで、賞味期限切れの食料品を「いつまで安全に食べられるのか?」について、食品微生物センターの山口憲太さんに話を伺った。

Q.賞味期限が過ぎても、安全に食べられるかどうかの見極め方は?

「単純に言ってしまうと、見た目、匂い、味などに異変を感じたら、食べるのを控えたほうがよいでしょう。そもそも食品の劣化は、微生物と菌を繁殖させる“水分”と、酸化の原因になる“油分”に関係しています。微生物や菌が繁殖したり油分が酸化したりしてしまうと、匂いや味にも変化が表れますが、感じ方には個人差がありますし、賞味期限が若干過ぎても安全面では問題がない場合がほとんど。食べて安全かを見極めるのに一番わかりやすいのは、見た目の変化です。長期保存がきく食料品については、“カビ”が生えていないか、また、水分が多いものであれば、“ねと”が出ていないか(納豆のように糸を引いていないか)。カビやねとが見られたら、食べないほうがいいですね。ちなみに、水分や油分がほとんどない塩や砂糖、冷凍保存されているアイスクリームなどは、カビが生えることも、ねとが出てくることもまずありません。つまり、保存状態にもよりますが、基本的にはいつまでも食べられる、ということになります」

Q.見た目以外に「食べられるかどうか」を判断する手がかりは?

「メーカーが賞味期限を決める場合は、『食べても大丈夫と判断した日数×0.8(ないしは0.7)』に設定するケースが多いのです。もちろん、すべての食料品に当てはまるとは限りませんが、この数値を手がかりに、メーカー側が大丈夫と判断している“消費期限”の目安を算出することは可能。つまり、製造年月日から賞味期限までの日数に1.25をかけた数値が、製造年月日から消費期限までの日数の目安です。製造年月日が明記されていない商品は、【スーパーやコンビニで購入した日≒製造年月日】と仮定して導き出すと参考にはなるでしょう」

Q.消費期限が設定されていない食料品で、とくに劣化しやすいモノは?

「一般家庭にあるもので考えると、一番は醤油ですね。醤油は冷蔵庫で保存したほうが長持ちしますが、卓上など常温で保存している家庭も少なくないでしょう。その場合、1週間ほどで味が劣化します。また、油も劣化しやすい食品です。カビが生えたり腐ったりすることはありませんが、酸化して傷んだ油を食べると胸焼けを起こす場合もあるので要注意。色や匂いに違和感があれば、食べるのを控えましょう。そのほか、普通の味噌に水あめなどを加えて作られた白味噌も、比較的劣化しやすいですね」

山口さんによると、消費期限が設定されていない食品は、基本的には“保存食”なので、カビやねとが見られない限り、食べても安全性には問題ないとのこと。

「近年では、健康志向のニーズが高まり、本来“保存食”である醤油や味噌でも、減塩など長期保存に向かない商品も増えています。しかし、それも賞味期限が切れてすぐに食べられなくなるワケではありません」

度が過ぎた賞味期限切れの食品を食べて健康を害しては元も子もないが、過敏になっても食品ロスが増えるばかり。これをひとつの目安として、自宅の賞味期限切れ食品を整理してみては?
(村部春奈/H14)

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