地方自治体による取り組み

「空家バンク」制度 その内容とは

2015.06.06 SAT


近年、全国的に住宅市場の頭打ちが指摘されている。総務省の調査では、全国の総住宅数に対する空き家率は13.1%(平成21年度時点)。特に、高齢化や過疎化が進む地方の空き家が増えているという。

こうした地方の実情を受け、近年注目を集めているのが「空き家バンク」と呼ばれる制度。地方自治体や行政の委託を受けたNPOがホームページ上で空き家物件情報を紹介。職員が間に入り、貸主と借主のマッチングを行う。田舎暮らしを望む人と住人を呼び込みたい地方のかけ橋として、空き家を有効活用しようという試みである。

「田舎の場合、賃貸物件がなかなか見つからないことも多いですが、空き家バンクには民間の不動産会社が扱っていない物件情報も数多く登録されています。また、公共機関が管理している空き家情報ということで、自治体による各種移住受入支援制度と併せて活用することもできます」(「全国空き家バンクナビ」を運営する移住・交流推進機構)

ただし、「空き家バンク」は地域の活性化をねらいとした制度であり、対象となるのは基本的に定住者だ。利用にあたってはその土地に根を下ろす心構えが必要となる。

「やはり、地域の活性化のため定住してもらいたいと考える自治体も多いです。そのためには、田舎暮らし特有の不便さやその土地ならではの習慣なども理解したうえで、空き家探しをしていただくことが大切。見知らぬ土地への移住は不安要素も多くあると思いますが、空き家バンクを利用すれば自治体の職員が生活情報を詳しく教えてくれたり、地元の方々からの理解を得やすくなったりというメリットもあります」(同)

気になる家賃だが、通常の賃貸物件に比べてかなりリーズナブルな物件も数多い。例えば、広島県尾道市の空き家バンクに登録されている物件の場合、家賃は月1.5万~3万円程度。売却価格も100万~500万円のものが多い。空き家物件の場合、相場はあってないようなもの。大家さんと入居希望者のマッチングは自治体がしてくれるが「高い・安い」は当人同士の交渉になるという。

ちなみに現在、空き家バンク制度を実施している市町村は全体の54.4%、これから実施を計画している市町村は30.9%に上る(地域活性化センター調べ)。

広くて立派な家を安く借りられるだけでなく、地域に溶け込むためのサポートも期待できる空き家バンク制度。田舎定住をお考えの際には、ぜひ利用してみては?
(榎並紀行)

※この記事は2011年10月に取材・掲載した記事です

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