身体にまつわる都市伝説 第148回

「○痙攣で抜けなくなる」説の真相

2015.06.06 SAT

身体にまつわる都市伝説


性交中のショックが原因で抜けなくなってしまうという「膣痙攣」。長らく世の男子たちを怯えさせてきたまことしやかな噂だったが… 写真提供/PIXTA
セックスの最中に、なんらかのショックで女性のアソコが痙攣(けいれん)を起こし、つながったまま抜けなくなってしまう…という、じつに恐ろしい話を耳にしたことはないだろうか。いわゆる「膣痙攣」と呼ばれる現象だ。

万が一、この現象が発生すると、自力で抜くことは不可能で、その状態のまま救急車で運ばれるといわれているから、なかなかの大惨事。でも、そもそもこんなことが現実に起こり得るのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「たしかに有名な都市伝説ですが、これはあり得ないでしょう。膣というのは肛門などと違い、組織的にそれほど大きな筋繊維を持たない部位ですから、成人男子が全力をふりしぼっても抜けない…というほどのパワーはありません」

意外にもあっさり否定されてしまったこの都市伝説。ちなみに須田先生によると、膣が痙攣する現象自体は、実際に存在するという。

「膣痙攣ならぬ“膣痙”という病名は存在しています。これは性交の際に膣の周辺が痙攣を起こす症状を指すのですが、それによって抜けなくなるのではなく、挿入する際に女性側に過剰な痛みをもたらすことになります。主に心理的なプレッシャーによって起こる症状で、人によっては性交時だけでなく、婦人科系の検査器具などにも反応してしまうことがあるようですね」

これはやはり、僕らが耳にしてきた膣痙攣とは根本的に別物。実際のところ、膣痙攣を起こして抜けなくなった…というエピソードは、まことしやかに伝わってくるものの、当事者にお目にかかったことはない。

「私自身、救急科に在籍していた頃には、延べ10万人近い急患を診ましたが、1度たりともそういった症例にお目にかかったことはないんですよ。もしも、本当に“抜けなくなった!”という経験をお持ちの方がいるなら、それは医学的に大変貴重なサンプルになりますから、ぜひとも名乗り出ていただきたいところです」

というわけで、とりあえず世の男性諸君はご安心を!?
(友清 哲)

※この記事は2013年5月に取材・掲載した記事です

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