知ってるようで知らない「天候の不思議」/第2回

雷が落ちても車内は安全って本当?

2015.06.08 MON


写真でみると、かっこよく感じる稲妻だけど… 画像提供:oucyan777/PIXTA
時には人命を奪ったり、山火事の原因になったりする雷。大昔より雷さまと恐れられ、ヘソをとられるという言い伝えが日本全国に伝わっているほど、我々の暮らしに密着した存在です。そんな雷は、どのようなメカニズムで発生しているのでしょうか。

「実は雷のメカニズムは、現在でも完全に解明されているわけではないんです。現在もっとも有力視されているのは、雷の発生には、雲を形成する雲粒という、とても小さな水滴がかかわっている、という説ですね」

そう教えてくださったのはウェザーニューズの徳丸友紀さん。水滴が雷の原因ですか?

「水滴といっても直径20ミクロン程度と小さなものです。水滴ですので、ある程度冷えると氷の粒になります。普段は上昇気流によって空に浮いているのですが、どんどん冷やされると氷の粒がくっつき合って大きくなり、やがて重みのせいで落下します。しかし下からも上昇気流にのった氷の粒が上がってくるので、ぶつかりあったりこすれあったりします。その際の摩擦によって発生する静電気が雷だといわれています」

ほう。雷というのは静電気の一種なんですね。ではそうして生まれた雷は、なぜ地上に落ちるんでしょう?

「ある程度まで電荷(物体の帯びている静電気の量)が溜まると、落雷の前触れである先駆放電が地上に向かって伸びます。やがてその先駆放電が地上数十メートルのところまでくると、 地上から“お迎え放電”と呼ばれる放電が起こります。そして、その二つがつながった瞬間に大電流が流れて、落雷となります」

ちなみに、建物や車に雷が落ちても、中にいる人は安全と聞いたことがありますが、本当ですか?

「もちろん外にいるよりもリスクはかなり少ないですが、必ずしも安全というわけではありません。建物だと水道管や電線、ガス管から電気が伝わることがありますので、蛇口をひねったとたんに感電するというケースもあります。また車も、基本的には車体の金属部の表面を伝って電気が流れていき、内部には流れない構造になっていますが、完全ではないようで、過去にも車に雷が落ちて穴があいたという事例もあるようです」

これからの季節、徐々に増えていく雷。空がゴロゴロと鳴りはじめたら、素早く建物の中に避難するように心がけ、配管、配線などには極力触れないように意識したいところです。

(山葉のぶゆき/effect)

※この記事は2012年5月に取材・掲載した記事です

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