知らないうちに値上がりしてない?

知っておきたい修繕積立金のキホン

2015.06.10 WED


マンションの屋上や外壁など将来発生する修繕工事のために、入居者が毎月積み立てていく修繕積立金。しかし、分譲業者が最初に設定した月額が低く、工事費が不足してしまうというケースがみられる。これを受けて国土交通省では「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を今年の4月に発表し、積立金の額の目安を提示している。

詳しい内容を、国土交通省住宅局マンション政策室の武井さんに聞いてみた。

「たとえば、専有床面積が80平方メートルのマンション(10階建て、建築延床面積8000平方メートル)の場合、修繕積立金の目安額は月1万1200~2万1200円(平均1万6160円)になります。金額は専有床面積に比例するので、40平方メートルなら半分に、120平方メートルなら1.5倍になりますね。マンションごとに必要になる修繕費用は異なりますので、ガイドラインでは、マンションの建築延床面積や階数でわけて、調査した事例の大部分が収まるような幅として金額を示しています」

目安額は、専有床面積1平方メートルにつき月140~265円の積立金を支払うべきと考え算出しているが、平成21年にリクルートが行った調査によると、実際の新築マンションの修繕積立金の当初設定額は、平均で1平方メートルあたり月95.4円となっている。つまり、「目安額」に比べ当初の設定額が低すぎるケースが多いということだ。

「毎月支払う金額のほかに、その額をどうやって算出しているのかも入居者が確認すべき重要なポイントです。外壁の塗装や屋上の防水など、時間の経過につれ劣化します。私たちは、例えば25年の間にそのマンションで見込まれる修繕工事を書き出して、修繕に必要な金額を算出するよう、長期修繕計画の作成を呼び掛けています。自分のマンションの長期修繕計画を確認してみるといいでしょう」(同)

建物の劣化が目につくようになって、マンション管理組合などで改めて修繕計画を立て必要額を算出してみると、今までの積立金では足りず、月額が値上がりしたり、臨時徴収されたりするケースも少なくないとのこと。このようなことはなるべく避けたい。しかし、積立金が増額するパターンはそのほかにも少なくないのだとか。

「修繕積立金の積立方法は、均等に積み立てていく“均等積立形式”と、最初のうちは金額を低めに設定し徐々に増額していく“段階増額積立方式”があり、新築マンションでは段階増額積立方式を採用しているものが多いようです。積立額が増額することを区分所有者が理解していれば問題ありませんが、それを認識していない区分所有者が多いマンションでは、実際に増額するときに苦労されるようです」(同)

何十年にわたり毎月支払うお金となれば、わずかな増額でも家計に大きな影響を及ぼす。マンションを購入する際には必ず積立方法を確認し、段階増額積立方式を採用しているマンションに住む場合は、将来的に無理のない積立金なのか、入念にチェックした方が良さそうだ。

修繕積立金の目安額の算出方法や積立方式は、国土交通省がマンションの規模や条件に応じて細かくまとめているので、同省のホームページで確認できる。

これからマンションの購入を考えている人はもちろん、すでに入居し積立金を毎月支払っているという人も、長期修繕計画と修繕積立金について、ぜひ一度確認してほしい。
(河合力)

※この記事は2011年10月に取材・掲載した記事です

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