幸せホルモン・セロトニンは腸に存在する!

メンタル不調「腸内環境」が原因!?

2015.06.04 THU


強いストレスを感じたとき、ダイレクトに受けとめてしまうか、クッションを通して受けとめるかでは、大きく感じ方が変わるもの。腸が元気だと、セロトニンが活発に分泌され、クッションの役割を果たす 画像提供/Ushico / PIXTA(ピクスタ)
憂うつな気分が続くとき、仕事や人間関係のストレスによるもの…と考える人は多いはず。でも実はその原因、「腸」にあるかもしれません。「腸内環境はメンタルの状態を左右するんですよ」と語るのは、便秘外来指導で知られる小林メディカルクリニック東京の小林暁子先生。

「腸の中では『セロトニン』という神経伝達物質が分泌されています。このセロトニンは腸を動かすために必要な指令を出しているのですが、別名『幸せホルモン』と呼ばれ、自律神経を安定させて、心身をすこやかに保つ働きも持っています。腸内のセロトニンが脳に影響を与えるメカニズムはまだ解明されていませんが、体内のセロトニンのうち約90%が腸内に存在しているといわれており、多くの医師や研究者がなんらかの影響があると考えています」

小林先生のクリニックには、便秘に悩む方が便秘外来に来院され、お通じが改善するにつれてモチベーションが上がるなど、気分的な影響を口にする人も多いそうです。ほかに、お通じがスムーズで腸内環境がよくなると、どんないいことがあるのでしょうか?

「腸は体内で最大の免疫臓器です。ウィルスや病原体などによって発生した異常な細胞を退治する『ナチュラルキラー細胞』という免疫細胞のうち、約7割が腸内に存在しています。つまり、便秘などで腸内環境が悪化すると、この免疫細胞の働きが低下して病気になりやすくなるのです。そのほか、むくみや肌荒れが、腸内環境の悪化による代謝機能の低下によって引き起こされているケースもあります」

食べ物の消化を担う臓器であるため、腸が不調だと大切なたんぱく質やビタミンを十分に吸収できず、取りこぼしてしまうことも増えるそうです。ちなみに、小林先生自身も20代のころは便秘によって、なんとなく不調な日々に悩まされていたそう。

「私も腸が不調だったとき、体を壊しやすかった。でも、腸内環境をよくしてからは、特別なサプリメントに頼ることなく、健康を維持できています。楽に健康でいられるか、または努力してやっと健康でいられるか。それは腸を大事にするかどうかで、決まってくると思います。便秘持ちの方にとって、出ないことはものすごいストレス。慢性化するあまり、一生改善しないと諦める人も多いんです。でも、便秘は病気ではありません。食事や運動などの生活習慣の改善で治るものです。私もそうでしたが、治るとストレスが軽減され、表情まで明るくなりますよ」

たかが便秘…と侮らず、腸にトラブルを感じたときは、改善する道を諦めずに探りたいものです。ちなみに「普段出ているから大丈夫」という人でも、排便後にスッキリ感がなければ「隠れ便秘」というケースもあるのだとか。心身ともに健康でいるために、お腹の不調が続くようであれば、診察を受けるようにしましょうね!

(富永明子)

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