世界が認めた“ホンモノ”の技術を調査!

ハイブリッドの原点。その実力とは

2015.06.10 WED


「プリウスファンの中には、燃費のよい走行を競う“燃費マニア”が存在します。かつては満タンで1000km走行達成がすごいとされていましたが、その後1000マイル(=およそ1600kmで約36km/L)を達成する人々も。新しいクルマの楽しみを生んだのもプリウスの功績かもしれません」(小林さん)
オリジナリティやパフォーマンスなど、“ホンモノ”がもつ魅力を知るために、日本が誇る名車プリウスを徹底調査! 「ハイブリッド」を世に知らしめたその実力を“自動車ニュースメディア”「クリッカー」の編集長を務めるクルマの専門家・小林和久さんに聞きました。知っているようで知らない「ハイブリッド」の仕組みから教えてください。

「プリウスは、ガソリンエンジンと電気モーターのどちらか、または両方を使って、タイヤへ動力を伝えて走らせます。現在 “ハイブリッド”と呼ばれる多くのクルマは、プリウス同様『エンジンとモーター』の組み合わせですが、プリウスは当初から、減速時にエネルギーを回収する“回生ブレーキ”を採用したり、モーターで発進することにより自然なアイドリングストップ機構を実現するなど、それまでのガソリン車に比べ、燃費を大きく改善することに成功。現在ではこれらをさらに熟成させることによって、プリウスの燃費効率は、トップレベルにあります」

確かな技術があったからこそ、「ハイブリッド」のメジャー車種にのぼりつめることができたんですね。

「1997年12月に登場したプリウスの累計販売台数は、2002年8月に10万台、2006年4月に50万台、2008年4月に100万台、2010年9月に200万台、2013年6月に300万台となっています。注目したいのは、最初の100万台達成におよそ11年を要したのに対し、その後300万台までにはわずか約5年で到達している点。2代目、3台目の登場で、飛躍的に販売台数を伸ばしてきたワケですが、これを単一のパワーユニット、トランスミッションで実現した例は稀です。通常は、地域特性や顧客の好みに合わせ、様々なボディタイプやエンジンの種類、ATやMTなど多数のバリエーションを用意して販売するもの。まったく新しいパワーユニットが、かなりの短期間で世界に認められ、受け入れられていったといえるでしょう」

それだけ急速に支持を得られた理由はどんなところにあるのでしょうか?

「優れた燃費性能はもちろんですが、クルマの基本性能の高さも大きいのではないでしょうか。例えばその乗り心地。通常はモーターだけで発進し、しばらくするとエンジンもバックアップを始める。走行中はエンジンをメインにしつつ、追い越しなどでスピードをあげるときにはモーターも助けてくれる…といったように動きに応じた複雑な機構でありながらも、ドライバーはそれをまったく意識することなく走れるのがプリウスのいいところ。スポーツカーのようにエンジンを高回転にさせないで、静かに、それでいてグイグイと加速でき、初めて乗った人には違和感はないのにまったく新しいクルマを扱っている気分にさせるはずです。また、ミニバンのように車高が高くなく、高速などでの風の影響、山道でのふらつきなども最小限。空力に優れたボディは、風切り音を低減させて、室内も静かです。現行モデルのJC08モード燃費(カタログ値)は最高32.6km/L。この数値は今でこそ低燃費車では当たり前になりましたが、プリウスは、誰がどんな乗り方をしても、20km/Lオーバーが当たり前に出せる燃費機能の安定感も大きな特長だといえるでしょう」

プリウスの省燃費技術は、さらに別のトコロにも!

「通常のカーエアコンは、エンジンの動力で動いています。つまり、停車時にエンジンを止め、アイドリングをさせないハイブリッド車の場合、クルマが止まるとエアコンも止まってしまうということ。そこで、2代目プリウスには、世界初の自動車用電動エアコンが採用されました。電気モーターでエアコンを働かせ、停止時にもエアコンが動くようになったのです。その後、多くの車種で電動エアコンが採用されるようになるなど、省燃費の車両に必要と思われる新技術は、プリウスから始まっているものが多く見られます」

「ハイブリッド」を世界に浸透させクルマ界の「メジャー」車種へと押し上げたプリウス。今後もどんな技術・機能で世界を驚かせるのか、注目です!

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