「日本一おいしい水道水」はどこだ?

水道水がおいしい市町村BEST5

2015.06.22 MON


清冽な地下水はほぼ塩素消毒のみで水道水となるが、下流の河川を水源とする場合は、浄化処理が必要となる 画像提供:kai/PIXTA(ピクスタ)
近年、各地の水道水のおいしさが見直され始めている。例えば東京では、2013年に東京都水道局が利根川水系を原水とする浄水場のすべてに高度浄水処理を導入したことが話題に。現在ではそれをペットボトルに詰めた「東京水」なる商品も販売されている。2015年6月には都内各所でミネラルウォーターと「東京水」の飲み比べキャンペーンも開催され、試飲者の中からは「東京水(=水道水)のほうがおいしい」との声も上がったそう。

では、日本全国の水道水の中で「一番おいしい水」が飲める地域はどこだろう? 日本水道協会の技術顧問を手掛け、水博士として名高い故・小島貞夫氏によると、水道水は水源の違いなどから、大きく4つにランク付けできるそう。その4つのランク付けとは…

●特級水…良質の湧き水や地下水を少量の塩素で消毒したもの
●1級水…汚染のない上流の河川や湖沼、伏流水を原水とし、緩速ろ過したもの
●2級水…汚染された下流の河川、富栄養化した湖沼を原水とし、それを緩速ろ過したもの
●3級水…汚染された下流の河川、富栄養価した湖沼を原水とし、薬品などを使って急速ろ過したもの

※緩速ろ過:砂の層に水をゆっくり通し、微生物の力で水を清浄にする方法

この中で最もおいしいと考えられているのが「特級水」、つまり湧き水や地下水を原水とする水道水だ。降った雨が土壌に染み込む過程でミネラル分が含まれ、汚れがろ過されていく。それが湧き出して川になる前――人の手によって汚染される前の水が一番おいしい水といえるだろう。なお、日本水道協会のデータによると、「地下水を原水とする水道水」は国内の水道水のうち19.5%。そこで、その中でもとくにおいしい水道水はどこの水なのかを、水ジャーナリストとして全国の水道水を味わってきた橋本淳司氏にランク付けしてもらった。

【水道水がおいしい市町村BEST5】
■1位 福井県大野市
「大野市はまわりが山に囲まれた盆地で、豊かな森林に蓄えられた水が湧き出ています。水道の原水にも使われている地下水は、遊離炭酸(水中に溶けている炭酸ガスのこと)が少し含まれていることもあり、爽やかでしつこくない味わいが特徴です。ミネラル分を程よく含み、コクとまろやかさがあります」

■2位 熊本県熊本市
「人口80万人という大都市では珍しく、原水に100%地下水を使用しています。その水源は阿蘇山の火山灰土に染み込んだ雨水といわれ、地元の人が“水道からミネラルウォーターが出る”と自慢するほど。上流に菊池市がありますが、ここも湧水の里として親しまれています」

■3位 鳥取県米子市
「縄文時代から聖域として守られ、山岳信仰の霊場となってきた大山には、今なお豊かなブナ林が残されています。その栄養価に富んだ土壌にろ過され、地中に蓄えられた天然水が、市の水道水に使われているわけです。pH値がややアルカリ性と人の体液に近く、身体にやさしく受け入れやすい水質になっています」

■4位 静岡県富士宮市
「富士山の山肌は水が浸透しやすく、そのため山麓まで川がありません。周辺には三島市、御殿場市(いずれも静岡県)、忍野村(山梨県)など名水で知られる地がいくつもありますが、中でも注目なのが富士宮市の水道水です。天然バナジウムが含まれ、舌の上に乗せると爽やかに、スッと身体に入っていくような清涼感があります」

■5位 栃木県塩谷町
「かつては修験者が身を清めたといわれる、樹齢数百年に及ぶ原生林に囲まれた町です。高原山の中腹にあり、湧水の町として有名ですが、水道水にはその地下水が使われています。他のどの水道水よりも甘みを感じる味わいが特徴です」

ひと口に水道水といっても、地域によって、コク、まろやかさ、清涼感などに違いがあるなんてビックリ! これからは色んな地域を訪れるたびに、水道水をじっくり味わいたくなりそうだ。
(丸田鉄平/H14)

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