雀蜂、蠍、蝮も入れる漬け込み酒の不思議…

ハブ酒で毒が回らない理由とは?

2015.07.19 SUN


見ためはなかなかグロテスクだけど、ハブ酒には血行不良や虚弱体質の改善など様々な効果が期待できるとか! 思い切ってロックで飲むのがオススメ!
果実やハーブなど、自分の好きな材料をビンに詰めて、砂糖と一緒にお酒に漬け込んで作る“漬け込み酒”。梅酒やあんず酒などの果実酒が代表的だが、実は他にもいろんな種類があるんだとか! そこで、30年以上漬け込み酒の研究を続けている、薬酒マスターのオサム師に漬け込み酒の“変わり種”について聞いてみた!

「果実を漬けるのが一般的なイメージですが、ゴーヤやコーヒーなどの野菜や種子を漬け込んだお酒もあるんですよ。また、本来食べることはない葉っぱや草木の根っこなどを漬け込むこともありますね。例えば、ビワの葉には下痢止めなど、胃腸の働きを整える作用があるといわれていて、“薬酒”として飲む人もいます。他にも変わり種でいうと、生薬としても使われる『鹿茸(ロクジョウ)』という雄鹿の生えかけの角やタツノオトシゴを漬けたものまであるんですよ」

す、すごい! そんなにいろいろあるんだ…! でも、水やジュースでもいいはずなのに、なぜあえてお酒に漬け込むの?

「水やジュースだとすぐに腐敗してしまうので保存には向かないからですね。アルコール度数が35度以上のお酒に漬け込むことで、腐敗を防ぎ、長期保存が可能になるんです」

なるほど。今ほど保存技術が進んでいない時に開発された知恵といえそうだ。

「また、アルコールの中に漬け込むことで素材の中の栄養が溶け出してきます。葉っぱや角など、そのまま食べられないものでも、お酒にすることで栄養を摂れるようになるんですよ」

“保存”と“栄養素の抽出”という2つの効果を得るためには、アルコールが必要不可欠ということか!

他にも、ネットで調べてみると、サソリや小ネズミ、動物の睾丸まで薬酒のゲテモノ系はけっこう種類があるみたい。

そういえば、沖縄でよく見かける“ハブ酒”も漬け込み酒の一種のはず…。素材の栄養が溶け出すなら、ハブの毒も溶け出すのでは? お酒に漬け込んでも飲めるのはどうして?

「毒があるものでいえば、ハブ以外にもマムシやスズメバチを漬け込んだお酒もありますね。これらを飲んでも毒が回らない理由は、実はまだハッキリとは解明されていませんが、いくつかの説があります。1つ目は、毒がアルコールによって薄まったり、分解されたりすることで飲めるようになっているという説。2つ目は、アルコールによって毒の成分が凝固し、お酒に溶け出していないという説。いずれにしても、飲んでも問題ないことは昔から実証されているので安心してください」

果実の種やゴーヤ、コーヒー豆、さらにはマムシやスズメバチなどたくさんの種類がある漬け込み酒。しかも、“薬酒”のように、ちゃんと目的を持って作られているものもあるし、漬け込み酒の世界って本当に奥深い!
(イワモト・アヤカ/short cut)

※この記事は2014年7月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト