「人による」ではわからない…

セクハラのボーダーは結局どこ?

2015.07.22 WED


「ボーダーラインの見極めが難しい」といわれるセクハラ。直接身体に触ったり、性的な目的の言動などは「アウト」だというが…
ビジネスマンなら多かれ少なかれ気になるのが、「セクハラ問題」。この問題がやっかいなのは、どんな行為がセクハラにあたるのか、いまひとつわかりにくいこと。たとえば、職場の後輩女性に何気なく、「連休中の予定は?」と聞いたら「セクハラ!」と言われてしまった…なんていう話も。いったい、セクハラのボーダーラインはどこにあるんでしょうか?

よく言われる通り、いわゆるセクハラは「相手方の意に反する性的言動」と定義されます。ただ、「意に反する」とはいうものの、「相手が嫌悪感を抱いたら即セクハラ」となるわけではありません。
「相手がイヤだと思えばなんでもかんでもセクハラになる」と思っている人も多いようですが、これは誤解。「名誉、プライバシー、その他の人格権を侵害するような場合」でなければ、セクハラとは認められません。

また近頃では、男性社員に対するセクハラも対象とする形で事業主の措置義務が定められるなど、もはや女性に対する問題だけではなくなっていることも注目されます。

厚生労働省の指針では、セクハラは、(1)対価型セクハラと、(2)環境型セクハラの2つに分けられます。(1)の対価型セクハラとは、要するに「ヤらせてくれないとクビにするぞ」なんていう、一定の不利益処分を被害者に課すタイプ。(2)の環境型セクハラとは、そのような不利益はないけれど、そこかしこに裸のポスターを掲載するなどして就業環境を害するタイプです。

では、具体的にセクハラのボーダーラインを見ていきましょう。

よく「今日の服装かわいいね」と言ったらセクハラになる、なんて言われることがありますが、実際にはよほどのことがない限りセーフです。「よほどのこと」とは、例えば「なめまわすように相手の全身を観察し、耳元でこのコメントを囁く」ようなケース。これはアウトとなる可能性が高いでしょう。 そのほか、「容姿のランキングを作って公表する」なんて行為もセクハラとなることがあります。

また、あまり知られていませんが、男性同士の間でもセクハラは起こり得ます。たとえば、「上司が嫌がる部下を無理やり風俗店に連れて行く」なんてケース。この場合も、セクハラに該当します。

ちなみに「セクハラ」というレベルを超えてしまいますが、最近では「セックスの際の合意の有無」が問題になるケースも増えています。男性側からすると「合意があった!」と言いたくなるような状況でも、これを裁判で証明していくのは非常に難しいのが現実です。男としては、くれぐれも気を付けたいところですね。
(弁護士法人/アディーレ法律事務所 刈谷龍太弁護士)

※この記事は2013年7月に取材・掲載した記事です

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