身体にまつわる都市伝説 第251回

人は気温何度まで生きられるのか?

2015.08.12 WED

身体にまつわる都市伝説


極端な気温差はときに命にかかわりかねない。適度に暑さに慣れながら、こまめな水分補給を心がけるなど、十分な対策を (写真提供/リュウタ / PIXTA)
とにかく暑い。連日の酷暑に、息も絶え絶えになりながら仕事に勤しんでいる人は多いだろう。この暑さでは熱中症のリスクも高まる一方。いつから日本の夏はこれほど暑くなったのか。

ただ、世界に目を向けると、50℃を超える熱波によって多くの犠牲を生んでいる国もある。そういうニュースを聞くと気になるのが、人間は気温何度まで生命を維持できるのかという問題だ。用賀ヒルサイドクリニックの鈴木稚子先生に聞いてみた。

「何度まで、という上限については、それを突き止める臨床実験が行われることはありませんから、明確な数字を挙げることはできません。ただ、1ついえるのは、命を脅かす要因は温度そのものではなく、気温差です。つまりは順応力の問題で、たとえば昨年、タイを寒波が襲った際には、10℃を下回ったくらいの気温でありながら、数十名規模の犠牲者が出ています。これは日本ではまず起こり得ないことです」

たしかに、真冬には氷点下となる日本で暮らしていると、10℃いう気温は寒さこそ感じても、命の危険にさらされることはまずないだろう。しかし、年間の平均気温が30℃に近いタイでは、これはすぐに順応できる気温差ではなかったわけだ。

「人間の体は、夏場は毛穴から熱を放出し、冬場は毛穴を引き締めて保温するなど、自分で体温を調整する機能を持っています。こうした機能は“慣れ”によって強化されるので、海外では40℃を超える熱帯でゴルフを楽しむ人がいたり、逆にマイナス40℃の世界で生活するエスキモーのような人々もいたりするんです」

こうした順応力は、年齢とともに衰えるもの。熱帯の国であっても、熱波の犠牲になるのはお年寄りが中心なのだとか。

「それに、暑いからとすぐに冷房に頼る生活は、こうした順応力を衰えさせる危険があります。我慢しすぎは禁物ですが、あまり部屋の温度を下げ過ぎないことも大切。そのうえで、まめな水分補給を心がけるなど、できるかぎりの対策を行いましょう」
(友清 哲)

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