受け取りサインもしてしまった…

引っ越しで荷物紛失!損害賠償は?

2015.09.17 THU


引っ越し時の荷物紛失に備えて、利用者自身がリストを作成する、紛失された荷物を特定するなど、自発的にリスクを回避する必要があるという 写真提供/PIXTA
ワクワクする反面、面倒なことも多いのが引っ越し。特に引っ越しでおきやすいトラブルといえば「荷物の紛失」。新居に移って荷ほどきをしている途中で、「あれ? あの荷物がない!」と気がついても、「荷物受け取りサイン」はとっくに済ませた後。業者に問い合わせても、「倉庫にもないし、受け取りサインをもらっているので、今さら損害賠償なんてできない」と突っぱねられてしまった
…、なんて人もいるという。こうしたケースでは、どう対処したら良いのでしょうか?

結論からいうと、こうしたケースで業者側に「損害賠償」を求めるには、利用者側が「その荷物があったこと」を証明する必要があります。すでに荷物の「受け取りサイン」をしている以上、業者側は「荷物をすべてちゃんと運んだこと」を証明する証拠を持っているわけで、そう簡単に利用者の主張を受け入れてはくれないでしょう。

それを覆すには、利用者自身が、紛失した荷物を特定し、それを引っ越し業者に渡したこと----つまり「確かにこのような荷物があった」ということ----を証明する必要があります。もし、利用者が荷物の存在を証明できて、引越業者が注意を怠っていたという場合、損害を賠償してもらえるでしょう。

とはいえ、引っ越し後に「本来はあった荷物が紛失していること」を利用者が証明するのはなかなか難しいもの。業者側としても、何の証拠もなく「紛失された」と言われても 認めようがないでしょうし…。やみくもに訴訟に持ち込んでも、満足のいく結果が得られるとは考えにくいです。やはり、荷物を運び出す前や、サインをする前に、よく確認するのが重要といえるでしょう。

ちなみに、利用者は契約段階で、引っ越し業者から「標準引越運送約款」や「標準貨物自動車利用運送(引越)約款」等の約款(あらかじめ定めておく契約条項のこと)を提示されるのが一般的。

独自の約款を作成している業者もいますが、多くの場合、「荷物の紛失や毀損があった場合、利用者は3カ月以内に引越業者にその旨を通知しなければならない」とされています。従って、荷物紛失トラブルがあった時は、すみやかに業者へ連絡が必要なのは間違いありません。ただ、連絡をすれば何とかしてもらえる、と甘読みしたら大間違い。

これから引っ越しをされる方は、荷物の個数・中身などをリスト化し、あらかじめ引っ越し業者側と確認しておくことをオススメしたいですね。
(佐藤大和弁護士/アディーレ法律事務所)

※この記事は2013年9月に取材・掲載した記事です

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