身体にまつわる都市伝説 第253回

鼻毛を切ると喘息になりやすい?

2015.09.09 WED

身体にまつわる都市伝説


身だしなみにおいては邪魔になる鼻毛だが、アレルギー性の気管支喘息を予防する効果は期待されている (写真提供/すなべしょう / PIXTA)
ビジネスパーソンたるもの身だしなみの1つとして、鼻毛のチェックを怠ってはならない。どれほどスーツが決まっていても、どれほど髪型にこだわっていても、鼻毛がたった1本飛び出しているだけで、すべてが台無しになってしまう。

切っても切っても伸びてくるものだから、いっそ剃ってしまいたいのが本音だが、それはそれで差し障りがありそうな気もする。たとえばよく耳にするのが、鼻毛を無闇にカットすると、気管支喘息になりやすいという噂。これは事実なのだろうか? 『本当にあった医学論文』などの著書を持つ医師の倉原優先生に聞いてみた。

「それについては、季節性アレルギー鼻炎の患者233人を対象に、鼻毛と気管支喘息の関連についてまとめた研究データが存在しています。対象者のうち気管支喘息が観察されたのは233人中75人。彼らの鼻毛の密度を低密度・中密度・高密度の3段階にレベル分けしたところ、鼻毛が低密度なグループの発症率が44.7%であるのに比べて、中密度なグループでは26.2%、高密度なグループの発症率は16.7%という結果が出ています。つまり、毛が濃いほど気管支喘息の発症が少ないことが明らかになったのです」

厳密にいえば、鼻毛の「長さ」と「密度」は似て非なるものかもしれない。しかし倉原先生によれば、少なくとも花粉症などのアレルギーが関与する気管支喘息においては、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす原因物質)が体内に侵入する前にキャッチするという鼻毛の役割を踏まえ、やはり鼻毛が長い方が有利であるのは間違いないという。

なお余談だが、空気の汚い都会で暮らすと鼻毛が伸びやすいとよくいわれるが、これについては、そういった研究データは存在せず、「医学的な根拠はありません」とのことだ。
(友清 哲)

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