鼻からスイカほどでは無いけれど…

「無痛分娩」でも痛みは消えない?

2015.09.10 THU


検討してみたいなら、妊娠初期の段階で医師に相談してみるのがいいでしょう 画像提供/りつ。 / PIXTA(ピクスタ)
「出産は鼻からスイカが出るくらい痛い」なんて話もありますが、最近は麻酔で陣痛の痛みを無くす無痛分娩を選択する女性も多いようです。でも、せっかく無痛分娩を選んでも痛みを感じることがあるとか。イーク丸の内・表参道の産婦人科医・疋田裕美医師に無痛分娩の実態を聞きました。

「“無痛”分娩といっても人によっては完全に痛みが無くなるわけではなく、生理痛程度の痛みが残る場合はあります。また、子宮の収縮を感じただけでも、それを“痛み“と感じる方もいます。麻酔薬を入れるタイミングも、医師によって多少の差はありますので、それによって痛みの感じ方が変わることもあると思います」

実は、麻酔薬を使うと痛みだけなく陣痛自体も弱くなるため、お産のスムーズさを考えれば、できるだけ子宮口が開いて陣痛の間隔が短くなるまで待ったほうが良いのだとか。

「一般的に陣痛の間隔が短くなるにつれて痛みは強くなるため、麻酔を投与するタイミングを遅らせると、妊婦さんが感じる痛みは強くなり、痛みを感じる時間も長引くことになります」

日本で行われている無痛分娩でもっともメジャーなのは、硬膜外麻酔を使う方法。背中にカテーテルを通し、そこから麻酔薬を入れて、知覚神経だけに麻酔を効かせるため、子宮の収縮は感じることができるそう。意識もクリアなので、収縮に合わせていきむことができるとか。

ちなみに、「無痛分娩」に関して知っておきたいことのひとつは、誰でも選択できるとは限らないこと。そしてもうひとつは、無痛分娩をするか否かは事前に医師と相談して決めておく必要があるという点。

「出血が止まりにくい方や脊髄神経の疾患がある方、麻酔アレルギーの方は選択できません。多くの病院では、事前に説明を受け、予定日が近くなったら内診で子宮口の様子などを見て入院日を決めるという計画無痛を行っていますので、出産直前に『やっぱり無痛にしたい』といって選択できる病院は少ないと思いますね」

無痛分娩を選択することによるリスクを耳にすることもありますが、実際のところどうなんでしょうか?

「陣痛が弱まったり、いきみにくくなったりするため、専用の器具で赤ちゃんの頭を引っ張る吸引分娩になる確率が高くなるという報告はあります。そこから帝王切開になることもありますが、帝王切開率が高くなるという、きちんとした統計はまだありません」

欧米では日本より普及しているという無痛分娩。将来、妊娠した際には、選択肢のひとつとして検討してみてもいいかもしれませんね。

(相馬由子)

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