身体にまつわる都市伝説 第254回

塩分を控えすぎても死亡率は上がる

2015.09.16 WED

身体にまつわる都市伝説


塩分は控えすぎても体に悪いことが判明。何事もほどほどが肝心なのだ (写真提供/dorry / PIXTA)
昔から薄味よりも濃い味が好きで、食材にかける醤油やソースなど、ついかけすぎてしまう。実家暮らしの頃には、よく母親から体に悪いと注意されたものである。

長年の嗜好というのは、そう簡単に変えられるものではないけれど、若い時分はまだしも、そろそろ健康のことを考えなければならない気もする。ただでさえ、日本人は塩分を摂りすぎだといわれているし…。

「じつはそれは誤解かもしれません。日本人の平均的な塩分摂取量は12g。昨年カナダの研究者らが発表した論文によると、これは最も死亡率の低い理想的な量なんですよ」

そう語るのは、医学博士の浦島充佳先生である。浦島先生によれば、塩分の過剰摂取が健康に悪影響を与えることはまちがいないが、控えすぎても体に悪いことが、データによって示されているのだという。

「世界18カ国の30~70歳までの男女10万1945人を対象に、1日の塩分摂取量と過去3.7年間における死亡率の統計を採ったデータがあります。これを見ると、最も死亡率が低いのは1日あたりの塩分摂取量が12gで、1日5gの場合だと死亡率は80%も上昇することが明らかになっているんです。5gというのはWHO(世界保健機関)が推奨する1日の塩分摂取量なのですが、じつはこれが決して健康的ではないことが判明したかたちですね」

このデータにはWHOもびっくりだろう。体のことを第一に考えるなら、塩分の摂りすぎとともに、減塩のしすぎにも気をつけなければならないわけだ。

「ただし、塩分を控えることにも危険がともなうとはいえ、ラーメン1杯をスープまで残さず飲めば、それだけで5~6gの塩分量に達します。外食中心の生活を送っている人は、12gなんてあっという間に超えてしまうので注意が必要です」

塩分を摂りすぎたと感じた日は、運動で汗を流して調整するのが理想的。それが無理なら、せめてサウナや長風呂で汗を絞り出して帳尻を合わせるのがおすすめだという。生活習慣病なんてまだ先のことと油断せずに、日頃からよく肝に銘じておこう。
(友清 哲)

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