母子の健康を重視する傾向が強まったことが一因

「帝王切開」が増えている理由とは

2015.09.24 THU


帝王切開の方が経膣分娩より痛みが少ないというイメージを持っている方もいるようですが、手術後の傷の痛み、体にメスを入れるというリスクなど、帝王切開には経膣分娩とはまた違った大変さがあるようです 画像提供/FamVeld / PIXTA(ピクスタ)
出産のときに、途中から帝王切開に切り替えて産んだという話を聞くことがあります。厚生労働省が発表した調査によると、医療機関における分娩のうち、帝王切開が占める割合は高くなっています。なぜ帝王切開の割合が高まっているのか、イーク丸の内・表参道の産婦人科医・疋田裕美医師に聞きました。

「昔は普通分娩で産んでいたようなケースでも、最近はお母さんと赤ちゃんの安全性を第一に考えて帝王切開を選択するケースが増えていることが大きな理由と言えます」

帝王切開には、何らかの理由で前もって日程を決めて行う「予定帝王切開」と、微弱陣痛などでなかなか産まれず母子に危険がある場合などに急遽切り替える「緊急帝王切開」があります。

「予定帝王切開になる理由としては、逆子や双子などの多胎、前回の出産が帝王切開だった場合、子宮筋腫が産道をふさぐ位置にある場合など。また、緊急で帝王切開に切り替えるのは、破水から時間が経ち雑菌が入る危険性がある、胎盤が先に剥がれてしまった、へその緒が先に出てしまった、お母さんの血圧が高いなどの理由から、母子の安全性が保てないと判断された場合です」

一方で、最近高齢初産の女性が増えていることも、帝王切開が増えている理由のひとつとして考えられるとか。

「昔は20歳前後で産む人が多かったのですが、最近は30代後半で産む人もたくさんいますよね。20歳前後と30代後半では体力が違いますから、陣痛が来てもなかなか産まれなくて帝王切開に切り替えるケースは、やはり年齢の高い妊婦さんに目立ちます。ただし、高齢出産でももちろん安産の方もいますので、日頃から運動を習慣づけるなどして、体力作りをすることも大切と言えるでしょう」

なお、帝王切開は保険診療なので、上に挙げたような適応(帝王切開を選ぶほうがいいという妥当性)が無ければ、自ら好んで選択することはできないそう。

「自費ですべて払いますという方もいるかもしれませんが、帝王切開は体にメスを入れるのでそれなりのリスクが伴います。そのため、明確な理由が無い場合は、たとえ高齢出産でも、まずは経膣分娩ということになるわけです」

高齢出産=帝王切開というわけではなく、赤ちゃんと母親の状態を見て、最も安全な方法を検討した上で出産方法が決まるということなのですね。

(相馬由子)

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