身体にまつわる都市伝説 第256回

頭を打つと見える“星”の正体は?

2015.10.12 MON

身体にまつわる都市伝説


頭を強打した時に見えるチカチカは、眼球への刺激がもたらす誤作動だった。大抵の場合はすぐに収まるが、10分以上続くようであれば病院で診察してもらおう。 Andrew L / PIXTA(ピクスタ)
頭を強くぶつけたりすると、チカチカと視界に星が瞬いて見えることがある。マンガなどではよく見られる表現だが、見方によってはかなり深刻なダメージにも見え、ちょっと不安。脳に後遺症でも残ったら一大事だ。

それにしてもなぜ、頭を強打すると、こうした光が見えるのか。この星の正体はいったい何だろう? 脳研究者であり医学博士の加藤俊徳先生に聞いてみた。

「これは脳ではなく、眼球への衝撃によって起こっているケースが一般的でしょう。物理的な衝撃が硝子体に伝わり、網膜を刺激してチカチカと光を感じさせるのです。これを医学的には光視症と呼んでいます」

実際には光を受け取っていなくても、網膜が刺激を受けることで光が見えることがある。いわば眼球の誤作動のようなものと考えていいだろう。

体験的にいえば、こうしたチカチカはたいてい、一定時間が経てば収まるもの。でも、その後の健康への影響はどうか。後遺症が残るようなケースもあるのだろうか…?

「もし、10分以上経過しても光の明滅が継続していたり、嘔吐や頭痛、めまいといった症状を併発したりするようであれば、すぐに医師の診断を仰いでください。眼球のダメージが強いだけでなく、眼球内の毛細血管が切れて微小な出血を起こしている可能性も考えられます。また、チカチカだけでなく、視界の一部が黒く欠けたり、気持ち悪くなったりするなど、他の症状があるときには、脳へのダメージも考慮する必要があります」

加藤先生によれば、頭部打撲は一見軽症に見えても脳の損傷を起こさないとはかぎらないという。異変には敏感であるべきなのだ。

「“物を見る”というメカニズムは、眼球のレンズを通して網膜に情報が伝わり、さらに視神経を通じてその情報が脳に送られ、外側膝状体を経由して後頭葉の第1次視覚野に達することで映像として認識されます。眼球だけでなく脳とも深くかかわっているため、異変を感じたら眼科だけでなく、MRIによる脳画像検査や脳の専門科への受診もお勧めします」

チカチカと瞬く星を見て、「わあ、キレイだな」などとお気楽に考えてはいけないのだ。
(友清 哲)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト