ルーツを調べると見えてくる打算的な男の思惑…

誤解!? レディファーストの真実

2015.10.19 MON


なんでもかんでも「レディファーストにすればOK!」と思っていると、場合によっては「女性を軽視している」と誤解されてしまうかも… 画像提供:Syda Productions/PIXTA(ピクスタ)
うやうやしく女性の手をとってエスコートしたり、着席するときは颯爽と椅子を引いたり。映画に登場する紳士に限らず“レディファースト”は欧米では常識です。しかしシャイで寡黙な日本人男性にとっては、なかなかハードルが高いもの。俺たちには関係ない! という声が聞こえてきそうです。

ところがルーツを調べてみると、女性を大切にする振る舞いも、打算的だったり下心があったり、どうも純粋なジェントルマンシップではなかった、なんて話も…。歴史の長い文化だけに由来も諸説あるけど、そのなかの面白い説を、ニューヨーク在住で、男のファッションやマナーなどの情報を発信しているオールアバウトガイドの首藤紳蔵さんに教えてもらいました!

●実は出世のためだった!
中世ヨーロッパにおいて、騎士は世襲だったため、長男は家督を継げるが次男や三男は自分の力で何とかするしかなかった。となると、城主の未亡人と結婚するか、城主の娘と結婚するのがてっとりばやい。そのため女性の心をつかむ“レディファースト”な振る舞いが生まれたのだとか。

●主君の妻への恋心のためだった!
中世ヨーロッパでは、結婚とは親が決めるもの。 “恋愛”とはおもに主君の妻に対する感情だったよう。そのため家臣は主の妻を大切に守ろうとし、主君もそれを承知で、家臣をひきとめておいたのだとか。これが女性を大切にする振る舞い=レディファーストにつながったようだ。妻をおとりにしていたとも言えそう。

●自分の身を守るためだった!
外では美しく飾り立てられた妻も、城に戻れば主君(夫)の命令で畑仕事をさせられたり、殴りつけられたりと女性が軽視させる傾向だった中世。権利争いや相続問題で命を狙われる物騒な時代だったため、ドアを開けて女性を先に部屋へと促すのも、中に潜んでいるかもしれない暗殺者から女性を盾に身を守ることから始まったという説も。

●男が会計するのは、財布を握っているからだった!
これは現代アメリカの話。日本では男性が会計を払うのがレディファーストという見方をする人もいる。しかし、アメリカの夫婦は夫が家計を管理する場合が多いため、男性が支払うのが一般的。特にレディファーストの概念から発生したものではないそうだ。

むむむ。“レディファースト”の裏に、そんな打算や事実があったとは…。では真のレディファーストとはどういうものなのだろう。

「女性への優遇がレディファーストと考えられがちですが、レディとは淑女という意味。しとやかで品格の高い女性に対する男性のマナーや社交術が“レディファースト”です。欧米では、父親が母親の手を引いたり、母親のために車のドアを開けたりというような行動を、子どもの頃から様々な場面で目にしているから、自然にそのような振る舞いができるんですよ」(首藤さん、以下同)

ただし、“レディファースト”が、失礼になる場合もあるのだそう。

「『女性は男性より社会的地位が低い』から、女性に優しくするわけではないということを忘れてはいけません。アメリカ社会では、家庭でも社会でも女性は男性と平等で、社会的地位のある女性はそのような男尊女卑的なレディファーストの行為を好まない傾向にあります」

考えすぎちゃって、ますます実行する男性が少なくなりそう…。

「男女間の社交術として気遣いがあれば大丈夫です。たとえば重い荷物を持ってあげたり、女性は車道側を歩かせないようにしたりと、無理なく相手への気遣いでできる範囲でレディファーストを行えばいいと思います」

国際的な人間になりたければ、「レディファーストの真実」を男性も女性も同じく知るべき。臆することなく相手を気遣え! ナチュラルに紳士淑女たれ! なのですね。
(菅原信子/ユーフォリアファクトリー)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト