備蓄食材をムダにしない“ローリングストック法”とは?

「非常食→ごちそう」アレンジ法

2015.11.13 FRI


キムラシェフのアレンジ防災食料理が食べられるイベント「ごちそうとぼうさい」で提供されたメニュー。彩りも美しく、食欲をそそる。キムラ氏はこれらのイベントを通じて、非常食を普段の食事として美味しく食すための活動を行っている
「もしもの時のために1人3日分は備蓄しておくべき」といわれる非常食。とはいえ、災害がなければ、いずれ賞味期限がやってくる。中には、一度も封を開けないまま処分した経験がある人もいるのでは?

そんな人にぜひ試してほしいのが“ローリングストック法”。聞きなれない言葉だが、非常食を無駄にしないためにとても有効な手法だという。出張料理人としてローリングストック法の普及に努めるキムラカズヒロ氏に話を聞いた。

「非常食をはじめとする、賞味期限が1年くらいの缶詰やレトルトの備蓄食材。これを、日々の食卓で消費しつつ、新しいものを買い足していくのがローリングストック法です。工夫して調理すれば、美味しいごちそうになりますよ」

非常食と聞くと、まずは空腹感の充足ありきで、“美味しい”というイメージはあまりないが…。どんな手法を使うのだろうか。

「例えば、水を入れるだけで食べられるアルファ米ですが、これと相性が良いのが野菜のトマト煮込みです。水分を多めに作り、そのスープでアルファ米を戻せば、リゾットやピラフのような味の染みたご飯になります。同じ要領で和の煮物に混ぜれば、炊き込みご飯風になりますよ」

アルファ米の水を吸う性質を利用するとは、何とも面白いアイディアだ。では、それと合わせるおかずはどうだろう? キムラ氏がイチオシする万能非常食はサバやイワシなどの魚の缶詰だという。

「味がしっかりついているので、野菜炒めと一緒に軽く煮込めば、簡単に魚と野菜の煮物が作れます。醤油味の魚(の缶詰)なら甘い筑前煮のような風味になるので、ニンジンやレンコンといった根菜と相性が良いですね。魚の種類は何でもいいですし、味噌煮缶で煮ても美味しいですよ」

魚の缶詰やレトルトなど、非常食のおかずといえば、筑前煮や肉じゃがといった煮物の種類が豊富。これについては、簡単な調理法で消費できるという。

「カレールーを入れてひと煮立ちさせれば、出汁の効いた和風カレーになりますよ。チーズをかけて焼けばオーブン焼きにもなります。この2つはなんにでも合う料理法です」

また、非常食と聞いて真っ先に頭に浮かぶ乾パンは、少し砕いて溶かしバターと絡めて型に敷けば、タルト生地のようになるという。クッキーやパワースティック系のシンプルな味のお菓子なら、同じような使い方ができるとのこと。また、パンの缶詰はデニッシュ系が多いが、これを卵と牛乳で作った乳液に浸して焼けば、変わり種フレンチトーストの完成だ。

「缶詰やレトルトを保存食ではなく、ひとつの食材として見れば、色々な使い方が思いつくものです。そのまま食卓に並べるのではなく、アイディア次第で美味しくなるので、ぜひいろいろ試してもらいたいですね」

なお、キムラ氏は11月14日に開催予定の宿泊型被災訓練「SHIBUYA CAMP」に参加する予定。代々木公園に野宿するという珍しいイベントで、炊き出し(イベントで振る舞われる食事)として、非常食を美味しくアレンジした料理や作り方を紹介する。今回取り上げたレシピのいくつかが実食できるので、興味がある人は参加してみてはいかがだろう?
(丸田鉄平/H14)

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