上野の森で冒険の世界に出発!国立科学博物館

探検隊の気分で動物標本を観察!

2015.11.21 SAT

格好いいパパに!オトコの子育て道場


「親と子のたんけんひろば コンパス」では、遊びの要素と標本が組み合わされ、ホッキョクグマと背を比べたり、カモシカの毛をなでたりもできる。写真右側の恐竜標本の台座にはトンネルがあり、骨格を下から眺められる。図鑑や標本を自由に手に取れるコーナーも
国内最大規模の総合科学博物館である上野の国立科学博物館(以下、科博〈かはく〉)。今年の7月に地球館の一部がリニューアルし、地下1階の恐竜を含む展示や科学技術を触って体験できるハンズオン型の展示を16年ぶりに一新するなど、子供たちがより科学に親しめるように取り組んでいます。

リニューアルと共に新設された3階の展示室「親と子のたんけんひろば コンパス」もその取り組みのひとつ。未就学児とその保護者を対象とした展示室で、靴を脱いで入室するシステムになっており、すべり台や吊り橋などの遊びの要素がちりばめられています。もちろん、これは単なる遊戯施設ではありません。

遊具には恐竜の骨格標本や、クロサイやカモシカなどの動物標本が組み込まれているのがポイント。普通は正面から見るしかない標本を、揺れる吊り橋の上から眺めたり、ラクダのおなかの下をくぐったり、ゴリラのお尻を見上げたり……といった具合に、様々な角度から観察できるように工夫が凝らされています。スペースのどこかにいるホッキョクグマの赤ちゃんを探そう! といったミッションもあり、まるで気分は探検隊です。

「展示をきっかけに、親子のコミュニーケーションが生まれることを大事にしています。子供たちが発見を親に伝えることで、親子で科学について話をする機会になれば」(学習企画・調整課 土屋順子さん)

館内の展示を監修しているのは、科博に所属する研究者たち。土日祝には研究者による「ディスカバリー・トーク」を開催しています。館内で約30分のトークを行うプログラムで、最新の研究内容や展示に関するエピソードなどスライドを交えてわかりやすく解説。質疑応答の時間もあり、実際の研究者と対話ができる機会を設けています。特に子供たちには化石や深海生物の回が人気で、「どうすれば研究者になれますか?」という質問もあったとか。

「ディスカバリー・トークでは『言葉は簡単に、レベルは落とさずに』を心がけています。予備知識がなくても理解できるよう、難しい専門用語を使わないのはもちろんですが、かといって内容までレベルを下げては物足りなくなります。子供たちをはじめ、来館者のみなさんの知的欲求を満たせるように工夫するのが腕の見せどころです」(植物研究部 菌類・藻類研究グループ 大村嘉人さん)

この他にも、小・中学生向けの自然観察会や科学実験教室、未就学児とその保護者を主な対象とした「かはくたんけん隊」など、多くの学習イベントが企画されています。特別展も「ワイン」や「チョコレート」「ひょうたん」など、身近なテーマから取り上げることも多いそう。

「当館の展示のテーマは『人類と自然の共存をめざして』。生物や自然の多様性を理解することは、これからの未来に必要な力になると考えています。身近にある科学に気付いてもらって、楽しみながら科学の考え方を身につけてもらいたいですね」(土屋さん)

親子で博物館に行った、という思い出が楽しいものになれば、科学に対するハードルもぐっと低くなりそう。授業で習ったことの「実物」を博物館で見れることによって、より理解も深まるはずです。週末は子供と、こんな知的な探検に出かけてみてはいかがでしょうか。
(井上マサキ)

■育て!子供の「理系脳」 第4回

  • 未就学児とその保護者を対象としたプログラム「かはくたんけん隊」。ワークシートやボール紙製の“たんけん帽”、オリジナル鉛筆などがセットで販売されており、小さな子でも探検隊気分で常設展示を回れるように作られている。価格は350円
    写真提供:国立科学博物館

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