一般枠での受験は1000~1500時間の勉強が必要…

国家公務員の経験者採用、倍率○倍!?

2015.12.20 SUN


今から国家公務員になれば、2020年の東京オリンピックに携われるかも!? 画像提供:hamazou/PIXTA(ピクスタ)
勤務時間や休日がしっかりと守られ、安定した収入が保証されているイメージが強い“公務員”。企業で働いている会社員、特に、新人時代を乗り超えて「30歳になる前に、そろそろ転職でも…」なんて考えている若手ビジネスマンにとって、公務員は魅力的…。

そこで、公務員のなかでも国家公務員にスポットを当てて、どんなハードルを越えれば転職できるのか、「資格の学校 TAC」が開設する公務員講座の担当者に話を聞いた。

「国家公務員を目指す人にとって、30歳は大きな境目です。社会人が国家公務員になるためには、大きく分けて4つ試験が設けられており、新卒から30歳までが受験できる『国家一般職(大卒程度試験)』と『国家専門職(大卒程度試験)』、民間企業などの職務経験が活かせる『国家一般職(社会人)』と『経験者採用試験』があります。一般的な転職のイメージは後者だと思いますが、正直、オススメはしていません」

オススメできない理由は倍率の高さ。各省庁にニーズがある時だけ採用活動が行われることもあり、平成26年度の国家一般職(社会人)の事務区分では1735人の申込者数に対して合格者数は6人、倍率は289.2倍という狭き門だった。

また、係長等の官職へ採用する経験者採用試験だが、平成27年度は国税庁や農林水産省など7つの省庁が試験を実施。1446人の申込者数に対して、合格者は117人、倍率は8.09倍だった。ただし、省庁別では、経済産業省は82人の申込者に対して合格者は0人、観光庁では95人の申込者に対して合格者は4人など、厳しい省庁も存在する。

「経験者採用試験は、社会人としてのキャリアや経験が重要視されます。大きなプロジェクトを成功させたなど、誰もが納得する成果がある人は、挑戦する価値があるのではないでしょうか」

国家一般職(大卒)と国家専門職(大卒)の試験はというと、こちらは、年齢条件(平成27年度の場合は昭和60年4月2日以降生まれの者)さえ満たしていれば、新卒だけでなく、既卒者、社会人も受験可能。働きながら勉強して挑戦する人も多いという。

「国家一般職(大卒)は、1府12省庁の職員採用。第一次試験で大学入試センターレベルの教養科目などと大学の専門課程レベルの法律・経済・政治系の専門科目、論文の試験があり、第二次試験で面接が行われます。学習範囲は広いのですが、出題範囲は予想がしやすく、合否のボーダーラインは概ね6割。1000~1500時間の学習ができれば合格率は高いですね」

平成27年度の倍率は行政区分で5.8倍。ただ、この試験に合格したからといって、すぐに国家公務員になれるわけではない。試験合格とは別に、自らが入りたい省庁を訪問して面接を受け、その省庁から内定を貰う必要があるのだとか。

一方、国家専門職(大卒)とは、国税専門官や財務専門官、労働基準監察官、刑務官、皇宮護衛官など、特定の分野にかかわる専門知識が求められる仕事。試験では、国家一般職(大卒)の出題科目に加えて、例えば国税専門官の場合は会計学や商法など、各職種の職務上必要とされる専門分野に関する試験科目が追加される。

ちなみに、平成27年度の国税専門官の倍率は4.0倍と国家一般職(大卒)よりも少し低い。今やっている仕事と近い職種なら、専門職の方がちょっとは試験勉強が有利に進められそうだが…。

「前職と近しい分野を受験した時に考慮されるとすれば、志望動機の説得力が増すくらいでしょう。試験内容は多少科目が追加される程度なので、勉強をしていれば、あまり差はないと思います。国家一般職(大卒)と国家専門職(大卒)、そして地方公務員はどれも試験内容が近いので、併願する人が多いですね」

特定分野の専門には、土木や電気、建築、化学、農業、林学など、理系の技術職もあるのだが、こちらは主に新卒者がよく受験するという。

試験の仕組みがわかったところで、次に気になるのは転職後の待遇。これは基本的に社会人経験の内容も考慮されることになっている。また、内部の昇進試験などで頑張れば、同い歳の新卒採用に役職で追いつく可能性もあるそうだ。

国家一般職(大卒)や国家専門職(大卒)の第一次試験は、毎年5~6月に行われる。今から半年で1500時間の勉強ができる自信があるあなた。転職、狙ってみる?
(笹林 司)

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