元CIA工作員が作品のレベルアップに貢献?

「スパイ映画」公開ラッシュの真相は…

2016.01.04 MON


ハードなアクションと最低で最高なプロポーズが描かれたスパイ映画『エージェント・ウルトラ』。おバカコメディながら、実はCIAとしては描かれたくない内容が満載? Alan Markfield / (C) 2015 American Ultra, LLC. All Rights Reserved.
数々のスパイ映画がヒットした2015年。トム・クルーズ主演の大ヒットスパイシリーズ『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、アカデミー賞俳優コリン・ファースが過激に戦う『キングスマン』、1960年代の大人気TVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を題材にした『コードネーム U.N.C.L.E.』など、実際劇場に足を運んで鑑賞したという人も多いだろう。

2016年もその勢いは継続中。まずは、今後公開予定のスパイ映画3本を紹介しよう。

●『ブリッジ・オブ・スパイ』(1月8日公開)
スティーブン・スピルバーグ監督が東西冷戦時代の実話をもとにつむぐ重厚な人間ドラマ。アメリカで拘束されたロシア人スパイの弁護にあたった有能な弁護士ドノバン(トム・ハンクス)が、危険なスパイ交換の交渉の命を受け、東西に分断されたドイツへと赴く。

●『エージェント・ウルトラ』(1月23日公開)
CIAが秘密裏に行っていたとされるマインドコントロール・プロジェクト “MKウルトラ”を題材にしたおバカでキュートなスパイムービー。田舎に住む典型的なダメ人間マイク(ジェシー・アイゼンバーグ)が、ある日突然CIAの凄腕エージェントとして覚醒する。

●『SPY TIME – スパイ・タイム -』(1月23日公開)
人気コミックを実写化したスペイン発の痛快スパイコメディ。平凡なサラリーマンだったアドルフォの元に、冴えないと思っていた父親が現れ「自分はスパイだ」と告げる。半信半疑だったアドルフォは、父親の手ほどきでスパイとしての才能を開花させていく。

今回紹介した3作品はすべて1月中の公開。このスパイ映画ラッシュは偶然なのか必然なのか。実はこれ以降、この傾向はいったん落ち着くので、“偶然”という見方が強い。しかし、近年の「スパイ映画」には元CIA工作員がアドバイザーとして参加するなど、作品を重厚でリアルに仕上げる「プロ」が絡んでいることが多いという。

たとえば、デンゼル・ワシントンが出演した映画『デンジャラス・ラン』(2012年)には元CIA工作員がアドバイザーとして参加しているし、ジョージ・クルーニー主演映画『シリアナ』(2005年)の元ネタの1つにもなった本の著作者は、20年以上にわたりCIAで特殊任務についていたロバート・ベアだ。彼はブルース・ウィリス主演の『RED/レッド』(2010年)にもアドバイザーとして参加するなど、その後も様々な作品で一役買っている。

この他にも、多数のスパイ小説を手がけたジェイソン・マシューズは30年以上にわたり海外で諜報活動に携わってきた元CIA工作員で、彼が2013年に発表した小説『レッド・スパロー』は、現在20世紀FOXによる製作が進行している。

スパイものはド派手なアクションあり、人間ドラマあり、お色気ありとエンタメ要素が多数盛り込まれた、映画にはうってつけのコンテンツだ。そんな娯楽作に、よりディープでリアルな味付けを加えたいハリウッドのショービス界が、アドバイザーとして元CIA工作員を積極的に登用。その結果、こなれたスパイ映画が急増した…なんていう分析もあながち妄想ではないかもしれない。

この真偽はともかくとして、今後も見ごたえありのスパイ映画は公開されていきそう。もしエンドロールにアドバイザーとして名前がクレジットされていたら、「元CIA工作員」か公式HPでチェックしてみよう。
(足立美由紀)

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