消費増税とセットで導入…意義を会計士にきいた

会社員の「軽減税率」メリット試算

2016.01.25 MON


軽減税率が適用される飲食料品と、対象外の外食の線引き案は2015年12月に決定。出前や持ち帰りサービス、持ち帰り可能な状態で包装された弁当などをコンビニなどのイートインコーナーで食べる場合は、8%への据え置きが決まった (写真/PIXTA)
2017年4月の消費税10%への引き上げとともに導入される「軽減税率」。条件に応じて税率を標準税率よりも低く抑える制度で、2016年度の税制改正では「酒類と外食を除いた飲食料品」と「定期購読の新聞」を対象に適用が決まった。これら対象品目については、税率は現行の8%のままとなる。

食料品にかかる税金が低くなる…といわれると、若手ビジネスマンにとってはうれしいことだと思うけど、導入決定の方針が発表されてから、各メディアでは否定的な意見をよく目にする…。軽減税率の意義と効果について、公認会計士の伊藤英佑さん、教えてください!

「消費税は所得にかかわらず一律にかかります。増税で生活必需品の価格が上がれば、低所得の人にとって、特に負担が大きく感じられるもの。そのため、軽減税率を導入することで、その負担感を和らげたいというのが政府の公式見解です。しかし、今回適用が決まった対象では、家計の負担感の緩和は微々たるものでしょう」

各紙が報じている、財務省がまとめた試算によれば、年収200万円未満の世帯の負担“軽減”額は年8372円、年収1500万円以上の世帯は年1万7762円と算出されている(2013年の家計調査で2人以上世帯の消費支出金額に基づいて試算)。高級食材も軽減税率の対象になるため、食費にお金をかける高所得層ほど、負担軽減の恩恵を受ける形になっている。ちなみに、全世帯の負担軽減額の平均は、1年あたり約1万3000円。うーん、それだけしか軽減されないのか…。

「軽減税率が何に適用されて、何に適用されないかは、その国の文化や、政治と業界の利害関係もあります。本来、税金はシンプルでわかりやすいことがベスト。わずか2%のために軽減税率を導入するのは、生活者に優しいように見せかけるだけのパフォーマンスと言われても仕方ないでしょう」

また、日本の財政を考慮すると、今後消費税は15%や20%に上がる可能性がある。軽減税率の効果が大きくなるのはそのタイミングだが、今のうちに軽減税率を導入して国民を制度に慣れさせる意図があるのでは? という見方もあるようだ。

軽減税率が導入されたとしても、トータルで見ればかなりの負担増になることは変わらない。負担分以上にしっかり“稼ぐ力”を身に付けるのが、最大の防衛策なのかも?

(南澤悠佳/ノオト)

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