ロイターのイギリス人記者が選ぶ!

BBCエイプリルフール秀逸ウソTOP5

2016.03.31 THU


「嘘は、4月1日正午までにつくのがルールです!」とティム・ケリーさん。作法を守り、オリジナルの嘘でエイプリルフールを楽しんでみるのはいかがだろうか 写真:somchairakin / PIXTA(ピクスタ)
4月1日は、エイプリルフール。1年で、唯一“嘘”が許される日だ。個人にととまらず企業も大々的な企画を打ち出すなど、世界中で盛り上がりをみせる。なかでも圧倒的な存在感を誇るのが、イギリスの公共放送局であるBBC(英国放送協会)だ。

「BBCは子供から大人まで皆が見ている人気放送局です。テレビだけでなくラジオもよく聴かれていますね。そんなBBCが練りに練った嘘をつくんですからみんな騙されるわけです」

と語るのは、イギリスを代表する通信社であるロイターの記者、ティム・ケリーさん。テレビ番組『世界まる見え!テレビ特捜部』のイギリス担当エージェントとして出演しているのをご存じの方もいるだろう。そんな彼に、BBCの歴代エイプリルフールネタから秀逸な“ウソ”を選んでもらった。

■ティム・ケリーさんが選ぶ!BBCエイプリルフールネタTOP5

【1位】
樹木の病が、赤髪の人に感染する?(1973年)

樹木の世界三大病害のひとつで、ニレ属の木に発生する感染症・オランダニレ病。コメディアンのスパイク・ミリガンが自身のラジオ番組内で、著名な学者のフリをして、「赤毛の人はこの病気に感染し、髪が黄色になってしまいます。森には近づかないでください」と嘘をついた。

「イギリスは、他の国に比べて赤髪の割合が多いんです。差別ではないけど、イジられることが多い。その背景を意識しつつ、絶妙なバランスでイジったスパイク・ミリガンの笑いのセンスが1位の理由です」(ティム・ケリーさん、以下同)

【2位】
スイスでスパゲッティが大豊作(1957年)

暖冬とスパゲッティゾウムシという架空の害虫駆除により、スイスの農家でスパゲッティが大豊作という3分間のレポートを放送。BBCの最初のエイプリルフールネタといわれ、最も有名な放送のひとつである。

「スパゲティを木から収穫するという“くだらない”ネタを真剣にやったのが面白い。二次大戦から10年以上経ち、一般家庭にテレビが普及していました。テレビは嘘をつかないとみなが思い込んでいたので、多くの人が騙されたみたいです。信頼度が高いBBCの時事番組『パノラマ』で放送されたのも衝撃的だった要因でしょうね」

【3位】
空飛ぶペンギン発見!(2008年)

進化を遂げた南極のペンギンたちの空を飛ぶ姿を、ドキュメンタリーチームが撮影に成功した…というネタ。映像のクオリティの高さから大きな話題を呼んだ。レポーター役をコメディグループ「モンティ・パイソン」のテリー・ジョーンズが務めた。

「とにかくCGが凄かったですね。技術を見せたかったんでしょう(笑)。テリー・ジョーンズは、コメディアンでありながらネイチャー系の真面目な番組をやっています。視聴者は、コメディか真面目かちょっと迷ってしまう。そこがネタのミソだったと思います」

【4位】
テレビ画面をこすると匂いが出る(1965年)

画面をこすると、そこから匂いが出る「Smellovision」という新技術を発明した男へのインタビューを放映。たまねぎをみじん切りにしたり、コーヒーを淹れたりするパフォーマンスを披露。数百人の視聴者が、熱心に画面をこすったといわれる。

「2007年のエイプリルフールに、Web画面から匂いが出るという内容で、BBC Webサイトでリバイバルの記事が出ました。Googleも2013年にトリビュートしていましたね」

【5位】
一時的に地球の重力が低くなり、浮遊感が得られる(1976年)

天文学者のパトリック・ムーアが、40~50代向けのBBCラジオ2の番組のインタビューで、4月1日午前9時47分に木星と冥王星が地球と一直線に並び、2つの惑星の重力の影響で、一時的に地球の重力が低くなると語った。その時間にジャンプすれば、浮遊感を得られるという。

「番組内で、パトリック・ムーアが『今だ』と宣言して、リスナーにジャンプを促したんです。その後、100件以上の電話が鳴ったといいます。著名な学者が嘘をついたので、かなりの人が信じたみたいです」

BBCのエイプリルフールに対する本気度が伝わってくるネタの数々。「イギリス人がエイプリルフールを楽しんでいるのは、きっと真面目すぎるのは良くないっていう意味もあると思うんですよ。どんな時も、ジョークを楽しめる余裕を持とうということでしょう」と、ケリーさん。今年はどんなエイプリルフールネタを仕込んでくるのか、真面目になりすぎず、楽しみたい。

(関泰介/ユーフォリアファクトリー)

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