“パパ”でもOK!「ママズクラブシアター」で

お互い様の精神で、泣く子も育てる「乳児OK映画」体験

2016.09.23 FRI

格好いいパパに!オトコの子育て道場


小さな子供を持つ、ママ友と一緒のお客さんも多いのだとか
画像提供:TOHOシネマズ
乳幼児がいると、いろいろな場所に行くことができ なくなるもの。総合芸術といわれる映画もその一つですね。上映中、静まり返る場内でギャン泣きしだしたら…、おむつからウンの悪い臭いが立ち込めたら…。考えるだけで怖いですねえ、恐ろしいですねえ。

しかし、そんな子育て中のパパママにありがたい上映会がいくつかあります。その一つが「ママズクラブシアター」というもの。各地にあるTOHOシネマズで毎月1~2度、木曜日に開催されており、上映中も照明は明るめ、音量おさえめなど赤ちゃんが恐怖で泣きだ さないよう配慮もなされているとのこと。

「お子さんが生まれてから、それまでのように映画を見ることができなくなり寂しい思いをしているママも多いと思います。『子育てで大変なママにも、赤ちゃん連れで気兼ねなく映画に触れる時間を作ってあげたい』そんな思いから2003年にこの試みは始まりました。現在では、同様に乳児連れ歓迎の上映を行う映画館も多いですが『ママズクラブシアター』はその先駆けといえると思います。子供 が騒いだ、泣いたとしてもそれはお互い様。毎月、1~2回の開催で“ママ”とはついていますが、小さなお子さんを連れたパパでもご利用いただけますよ」(TOHOシネマズ府中・支配人の成田宗裕さん)

子連れで映画に行って、なにが心配かというとまず騒音で周りに迷惑をかけることですからね。それがあらかじめ許容されているというのはありがたい話。

■実子を連れてパパ(筆者)が「ママズクラブシアター」を体験

映画館で騒ぐ3歳
「あぱちゃん(赤ちゃん)、泣いちゃってるねえ。うるさくしたらダメだよねえ」などとおちゃらける我が娘。キミも十分うるさいから静かにしなさい ※上映中の撮影は一般上映と同じくNG。写真は上映後に許可を得て写した再現シーンです
では、実際の上映の様子はどんなものなのか。筆者が3歳となる実子を連れて行ってみたのはTOHOシネマズ府中で9月15日にママズクラブシアターの枠で上映された『シン・ゴジラ』。

作品名にご注目。明らかに幼児以下の子供が楽しめる作品ではないですね。子供も一緒に楽しめる映画だけでなく、こうした大人が楽しむ作品も上映されるのがポイント。子供の付き添いでついていくのではなく、大人が映画を楽しむためにあることがおわ かりいただけるかと。

平日の午前中ということもあり、客席にはかなり余裕のある場内。ほとんどがママ一人と1~2歳児といった組み合わせで、パパ&ママと 子供のパターンはちらほら。パパと子供の組み合わせは2組ほどでした。

そして本編開始。5分過ぎるかどうかのうちに、早速席を立ち、後席の視界を遮らない位置まで行 ってあやし始めるお母さんが一人。特に泣き声は聞こえてきませんでしたが、本格泣きに突入する前になんとかなだめておこうという配慮でしょうか。

20分を超えるころには、そこかしこで赤ちゃんの泣き声があ がり始めましたが、どのママの対応もやはり同じ。「赤ちゃんが泣く前提」ではありますがその後も泣かせっぱなしにする人はおらず、ぐずり始めたか否かですぐにあやしている様子 。BGMに常に赤ちゃんの泣き声が被る状態を覚悟していましたが、そんなことはありませんでした。

『シン・ゴジラ』は、会議のシーンが長いのは知られるところ。そこが作品のメインとはいえ小さな子にそれを楽しめというのは無理な話。劇中では政府高官らが「謎の怪物、上陸はしないでくれ」と願っていましたが、怪獣の方がおじさんたちの会議よりは子供の興味を引くはず。おもわず「早く上陸してくれゴジラ!」と願ったのは筆者だけではありますまい。実際、うちの子に限らずゴジラ登場のシーンでは泣く子が減るようで…。

■映画とともに子育ての苦労も共有!? そこに広がるやさしい世界


トイレに行ってジュースも買ってもらい、気を持ち直した模様
その後、場内を観察しているとどこの子もゴジラが暴れる→画面に見入る。会議シーン→ぐずぐずいうもしくは親に話しかけ始める…のループ。我が子も「手がかゆい」(親の気を引きたい時に使 う、ぐずり始めの常套句)、「アイス食べたいねえ」などとぐずり始めたのですが、小声であれば多少のお喋りもOKなので助かりました。静かにさせるには、「静かにしなさい」の注意よりも小声でお喋りにつきあった方が効果的なこともありますから。普通の映画上映であれば、舌うち までされなくとも、咳払いの一つ もあがろうというところですが当然そんな空気感はゼロです。

ちなみに、ついに「ウンチでるー」(親の気を最大限引きたい時に使うウチの子の常套句。9割8分、本当の便意はない)と大きな声で言い出したのが我が娘。空振りなのはわかっていてもこれ以上騒がれても困ると、一旦離席しトイレへGO。行って戻ればゴジラの再上陸シーンをちょうど見逃したところで、通路で赤ちゃんをあやしていたよそのママと、苦笑まじりの視線を交わしたのもいい思い出です。

そんなこんなで、無事(?)映画を見終えたのですが、エンドロールが流れ始めてもかなりの間、誰一人席を立とうとしなかったのが印象的。普通、すぐにでも席を立つ人は出てくるもので、ここに来たママたちはそれだけ映画に飢えているんですかね。

ちなみに、TOHOシネマズ府中でのママズクラブシアターは、他のTOHOシネマズの劇場と違う方法で上映作を決めているようです。

「上映後にお客さんにアンケートにご協力いただき、それをもとに翌月の上映作品を決めています。今後は、パパも来やすくなるように、土日の開催も検討しております。各種催しも含め、公式ホームページをチェックしてみてください」(成田さん)

そこに広がるのは、やさしい世界。泣き声があがって当然、子育ての苦労を共有しながらという貴重な映画体験ができました。いやあ、映画って本当にいいもんですね。
(宇都宮雅之)

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