叱るときはストレートに伝えることが大切

知らぬ間に子を追い込む“子育てのダブルバインド”って何?

2016.12.05 MON

格好いいパパに!オトコの子育て道場

“ダブルバインド”という言葉を知っていますか? 多くの人が耳慣れない言葉なのではないでしょうか? しかし実は、知らぬ間に多くの親御さんが“ダブルバインド=二重拘束”というコミュニケーションパターンでわが子を追い込んでいるそうです。“ダブルバインド”とは?
『一人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』(日本実業出版社)の著者である立石美津子さんにお話しを伺いました。


●親の命令の矛盾で子どもを心理的にコントロールし、混乱させる“ダブルバインド”
皆さんは、わが子が親の言うことを聞かなかったとき、こんなしつけ方をしたことはないだろうか?

子どもと公園に遊びに行って…
ママ「もう帰るよ!」
子ども「嫌だ、もっと遊びたい!」
ママ「じゃあ、ママは先に帰るから勝手にしなさい! バイバイ!」

「親としては、“ホントは置いて帰る気なんてさらさらないのに、先に帰ると言えばついてくるだろう。実際、子どもは一人では帰れないから困るだろう”だから従わざるをえないということをお見通しで言うのです。しかし、もし子どもが“勝手にしなさい!”という言葉をそのまま字面通りに受け取って、“じゃあ、勝手にする”と、そのまま遊び続けたら親御さんはどうしますか? さっき“勝手にしなさい”と言っておきながら、“いい加減にしなさい!もう帰るの!”と怒って手を無理矢理引っ張って帰るのではないでしょうか?」(立石さん 以下同)

このように、親の矛盾した命令で子どもを心理的にコントロールし、混乱させることが、“ダブルバインド”だという。


●子育ての随所で“ダブルバインド”が発生している!
「ダブルバインドとは、まったく異なる命令を受け取った子が親の矛盾を指摘することもできず、最終的に親の言うことに従わなくてはらない状況に陥ること。これにより心にストレスを溜め込むシステムが作られていくというコミュニケーションパターンで、アメリカのグレゴリー・ベイトソンという文化人類学者が“統合失調症”(幻覚や妄想、興奮などの激しい症状のほかに、意欲の低下や感情の起伏の喪失、引きこもりなど多彩な精神症状を呈する病気)に似たような症状を示すようになると指摘する説です」

実は、こういったしつけ方は、公園の例に限らず、子育ての随所で発生しているという。


例えば、こんなケースもよくある光景。

おもちゃを散らかしている子どもに…
ママ「おもちゃ片付けなさい!」
子ども「あとで片づける!」
ママ「いいから、早く片付けなさい! 片づけないとおもちゃ全部捨てちゃうからね!」

そう言って子どもに恐怖を与えることで子どもをコントロールしようとする。しかし、それでも子どもが片づけなかった場合、多くの親御さんは“捨てちゃうからね!”と言っておきながら、実際はおもちゃを捨てず、“なんで片づけないのよ!”とさらに怒鳴る。つまり、子どもが何を選択しても怒られ、従わざるをえない状況に追い込まれる。子どもとしては、“いったいどっちなの?”となり、この矛盾が子どもを混乱させていくのだ。

「ダブルバインドでしつけたからといって、もちろん誰もが統合失調症を発症するということではありません。しかし、少なくとも“二重拘束”された子どもは、脅しの恐怖を味わい、さらに一貫性のない親の指示に混乱し、親への不信感を募らせていくことになるのです。そして、それがエスカレートすればメンタル不全に陥るケースも稀にあるということなので、気をつけましょう!」


●しつけは脅しではない! 親の忍耐と子に伝える工夫が大事
では、しつけるときに気をつけるべきこととは?

「子どもをしつけるときは、脅してはいけません。シンプルに伝えればいいのです。“もう遅いから、帰ろうね!”と。親に“勝手にしなさい!”と、言われたら、親の庇護なしに生きていけない子どもは、従わざるをえません。もちろん、親御さんは決してそんなつもりで言ってはいないのですが、無意識だからこそエスカレートする危険性が高く、小さい子どもにしてみれば、“私の言うことに従わないと、見捨てるわよ!”と、遠まわしに言われているのと同じなのです。変な脅しは使わないで “相手にわかるように伝えて待つ”親御さんの忍耐が何より重要です」

知らぬ間に子どもを追い込んでしまわないように気をつけましょう!
(構成・文/横田裕美子)


記事提供/ママの知りたいが集まる『mamatenna(ママテナ)』

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