年末年始の長時間フライトに向けて気がかりな人も多いはず

飛行機の「耳キーン」対策、CAは「○○な耳抜き」で…

2016.12.13 TUE


寝ていて耳の痛みで目が覚めた状態では治りにくい。こまめな耳抜きが有効だ
写真提供/Fotoglafy / PIXTA(ピクスタ)
いよいよ迫ってきた年の瀬。年末年始といえば飛行機を利用して、国内外に旅行に行く人も多いだろう。でも、飛行機に乗ると、こんな耳の激痛に悩まされる人もいるのでは。そう「耳キーン現象」だ。着陸が近づくとあまりの痛さに思わず叫び声をあげたくなる…なんてこともあるかもしれない。

かくいう筆者もそのひとりで、飛行機が高度を下げ始めるやいなや耳がキーン。その後は痛みと戦いながら一刻も早い着陸を願うばかりの我慢の時間を過ごすことになる。実際にこうした悩みを抱えている人は結構いるはず…そこで、たなか耳鼻咽喉科の田中伸明先生にアドバイスを求めた。

「飛行機に乗ると耳が詰まったり痛くなったりする原因は、鼓膜の外と中に気圧の差が生まれて鼓膜が押されたり引っ張られたりするからです。飛行機の中はおおよそ0.8気圧とされていて、地上の1気圧と比べるとかなり気圧が低い。特に離着陸のときは気圧が大きく変化しますから、痛くなりやすいのです。鼓膜内外の気圧の差は鼻につながっている耳管を通じて調整されるのですが、鼻が詰まっていたり耳管の機能が普通よりも少し弱いような方だったりすると、痛みを感じることもあるでしょう」

つまり、普段は耳の痛みが気にならない人でも、風邪をひいていたり花粉症ど真ん中だったりすれば痛くなることがあるというわけ。風邪でも花粉症でもないのに痛い人は、いわゆる“体質”というヤツだとか。では、即効性のある対策はあるのだろうか。

「鼓膜に小さな穴を開けたり管を通したり…という方法もあります。ただ、これだと感染を起こしたり鼓膜の穴がふさがらなくなったりする可能性もあるので、よほどのことでもなければおすすめはできません。鼻が詰まっている方であれば点鼻薬の使用や耳管を広がりやすくするための処置をすることもあります。ただ、いずれにしても『離着陸するときには耳抜きをしてください』と指導することが多いですね。鼻をつまんで鼻から息を吐き出す要領でゆっくりと。いわゆるバルサルバ法ですね。慣れていない人が思い切りやってしまうとかえって耳を痛める可能性もあるので、地上にいるときから練習をしておくといいですよ」

やっぱり基本は“耳抜き”というわけなのだ。でも、正直飛行機の中で鼻をつまんで耳抜きをしている人なんて見たことがないような。実際はどうなのか、飛行機に乗るのがお仕事の人に聞いてみた。

「耳が痛い、詰まっている、というお客様はかなりいらっしゃいます。また、私たち客室乗務員も痛いというほどではありませんが、耳が詰まる経験はあります」

こう話してくれたのは、全日空広報部で客室乗務員でもあるという黒滝祥子さん。

「ただ、日頃から風邪などをひいて耳が詰まることのないよう体調管理をし、また少し詰まった感覚がある際にはこまめに耳抜きをするようにしています。お客様がいらっしゃらないところでバルサルバ法をしている乗務員も見かけたことがあります。また、私の場合は耳の下に空洞をつくるイメージで口を閉じてあくびをするように顎を動かして耳抜きをしています」

着陸前になると耳が痛くてたまらなくなるという人はどうすれば…。

「まずは降下開始前からこまめに水を飲んだり、飴を舐めたりすることである程度予防することができると思います。そして、痛くなってからではなくて、その前から少しでも違和感を覚えたらその都度耳抜きをしていく。こまめに行うことが大切だと思いますよ」

なるほど、言われてみれば筆者は痛くなってから(心のなかで)大騒ぎをしているだけだった…。ちなみに、ボーイング787などの最新鋭の機体は従来の機体より気圧のコントロール機能が上がっており、耳の詰まり・痛みがいくぶん起こりにくくなっているという。

というわけで、飛行機に乗ると耳が痛くなるという皆さん、やっぱり対策は「こまめな耳抜き」に尽きるみたいですよ! この冬、飛行機に乗る予定があるならば、今からバルサルバ法の練習をすべし!

(鼠入昌史)

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