前屈や開脚ができないほど体が硬いと、何が起きるの?

開脚本もヒット中だけど…「体が硬いと不健康」は本当?

2016.12.22 THU

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「体が硬い人は、まず股関節のストレッチから始めて」と四家先生。足を動かすために必要な関節なので、ここが硬いと歩幅が狭くなり、大きく動きにくくなってしまうそう
画像提供/bezikus / PIXTA(ピクスタ)
物を落としてかがんだときや、大きく足を伸ばしたとき、思っていたよりも自分の体が硬いことに気づくと、ちょっと焦りますよね。そして「たまにはストレッチでも」と前屈をしてみたら手は床につかず、左右に開脚もできず…なんて人もいるかもしれません。

でも、ふと「体が硬いからって普段困ることはないな…」とも思いませんか? なんとなく不健康な気はするし、体が痛くなるのは嫌だけど、具体的にどんな問題があるのでしょう? 書籍『ながらバレエ・ストレッチ』の著書である、クラシックバレエ講師の四家恵先生、体が硬いことはやはり体に悪いのでしょうか?

「はい、体が硬いことによるリスクはたくさんあります。体が硬い状態とは、筋肉が硬くなり、伸びる動作ができにくくなって、関節の動きを制限してしまう状態のこと。その結果、元気に動きにくくなるのはもちろん、とっさの動きが鈍くなって怪我をしやすくなり、さらに全身の動きが小さくなるため、内臓の働きまで悪くなることもあるんですよ」

筋肉を縮ませることは簡単ですが、筋肉は自力で伸びることがないため、意識的に伸ばさない限りは縮む一方で、硬くなってしまうそう。だからこそ「日々、ストレッチを取り入れることが大切」と四家先生は言います。

「体が硬くなる原因のほとんどが、運動不足と加齢。筋肉が衰えて細くなると、縮む力も弱まり、反対に伸びることも減るので、関節の可動域が狭くなって、どんどん動きが悪くなります。また、筋肉を動かすにはある程度の水分量が必要なので、乾燥しやすい冬場は硬くなりやすい時期。なお、ハードに筋トレをしている方は、筋肉を縮ませることにばかり注力してしまい、伸ばす動きが不足して硬くなる場合もありますので注意してください」

四家先生によると柔軟性には、筋肉が弱っていても動かせる「静的柔軟性」と筋肉の収縮を使って意識的に動かす「動的柔軟性」の2種類があり、筋肉を伸ばして関節の可動域を広げる、つまり健康で柔らかい体を作るには、動的柔軟性を高めるストレッチが必要だそう。クラシックバレエのダンサーが、タフに踊るための筋肉を持ちながらも柔らかい体をキープしているのは、動的柔軟性を高めるのに有効なストレッチをおこなっているからだと言います。

「ただ毎日、やみくもに前屈や開脚をすれば体が柔らかくなるわけではありません。背筋を伸ばすなど、適切な姿勢でおこなえば筋肉や関節に必要な負荷をかけることができ、動的柔軟性が高まります。ポイントは、ゆっくりと呼吸をしながら、そのポーズを15~20秒キープすること。反動をつけて一瞬で筋肉を収縮させるのではなく、長く伸ばすイメージで筋肉を養いましょう。ピリピリとした心地よい痛みがあることが、効いているサイン。痛すぎるほどに伸ばすと、反動で筋肉はより縮まってしまうので、無理は禁物です」

体の部位ごとに、毎日簡単にできるストレッチを教えてもらいました!

◆股関節のストレッチ
1:床に座ったら膝を曲げて左右に広げ、両方の足裏をつける。
2:呼吸をしながら、両膝を手でゆっくりと押し下げていく。
ポイント:「背中が丸まると、お尻が落ちて腹筋が使えず、股関節がきちんとストレッチされません。背筋をまっすぐに伸ばしておこないましょう」

◆太もも(表)のストレッチ
1:うつぶせに寝て、両足をまっすぐに伸ばす。
2:膝を曲げて右手で右足首を持ち、かかとをお尻に近付けながら膝を床から離し、前ももを伸ばす。左も同様におこなう。
ポイント:「この方法で痛い場合は、あお向けに寝転がり、片足ずつ正座のように膝を曲げる方法でもOK。この場合も、前ももが伸びていることを感じてください」

◆太もも(裏)のストレッチ
1:膝を伸ばした状態で床に座り、かかとを壁につける。
2:背中はまっすぐのまま、上半身を前に倒して、あごをつま先にのせるイメージで、両手でつま先に触れる。太ももの裏が伸びていれば、軽く膝を曲げてもよい。
ポイント:「手がつま先に届かない場合は、タオルを使っても。足の先にタオルを引っかけて両手で持ち、引っ張りながら上半身を倒してみてください。このときも、あごをつま先にのせるイメージを持つこと」

◆内もものストレッチ
1:両脚を左右に広げて開脚する。無理に大きく開く必要はなく、少し頑張る程度でOK。
2:背中はまっすぐのまま、上半身を前に倒していく。膝が内側に倒れてもよいので、股の上部にある恥骨を床につけること。内もも(内転筋)が伸びるのを感じる。
ポイント:「内転筋は普段なかなか使わない筋肉なので、一気に伸ばすのではなく、2分ほどかけてじわじわと伸ばして」

◆お尻のストレッチ
1:椅子に腰かけ、右膝を外側に折り曲げて、かかとを左膝の上にのせる。
2:背中はまっすぐのまま、上半身を前に倒していく。このとき、右膝に右手を置いて、ゆっくりと膝を押し下げていく。左側も同様におこなう。
ポイント:「体を前に倒すのがキツイようであれば、手で膝を押し下げるだけでも効果的です」

◆肩甲骨のストレッチ
1:椅子に腰かけ、両手でタオルの両端を持つ。
2:腕を伸ばしたまま、呼吸しながら腕を上げ、さらに耳の後ろまで倒していく。このとき手首は動かさず、同じ向きで固定しておくこと。
ポイント:「肩甲骨が動くまで、ゆっくりと腕を倒していきます。背中が反りやすいので、まっすぐの姿勢をキープすること。難しい場合は、背中側で逆手にタオルを持ち、腕を上下させるだけでもOK」

いきなり全部始めようとしても、やり慣れないと三日坊主になることも…。四家先生は「どれかひとつでもいいので、まず1カ月続けてみましょう。おすすめは股関節のストレッチ。股関節は体重を支える箇所なので、そこの筋肉と関節を柔軟にしておくことが元気に動くための源となる」と言います。まずは股関節から、始めてみませんか?

(富永明子)

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