洋式よりしゃがむ姿勢が出やすいという研究結果も!

和式トイレのほうが便秘になりにくいって本当?

2017.03.16 THU

カラダの疑問 相談室

「女性は腹筋の力が弱いため、とくに便秘に悩む方が多い」と大竹先生。長引く便秘のせいで便が出にくくなり、痔や憩室炎などの病気を引き起こすこともあるそう
画像提供/トラノスケ / PIXTA(ピクスタ)
トイレに入ってしばらく経ってもお腹が張って苦しいとき、自然とかかとが上がり、前のめりの体勢になっていることはありませんか? 普通に便座に座っているだけではまったく出なかったのに、その体勢になると「出やすい」ように感じます。なんと、これは感覚的なものではなく、実際に「しゃがむスタイルのほうが出やすい」という研究結果があるらしい! おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎先生、体勢と排便のしやすさが関係しているって本当ですか?

「はい、本当です。イスラエルの医師である、シキロフ氏による研究結果(※参考文献)が出ています。シキロフ氏は3つの方法で被験者に排便をさせ、便が出るスピードと快便度を測定しました。ひとつは通常の洋式便器(便座までの高さは41~42cm)、2つめは便座の高さを低くした小型の洋式便器(便座までの高さは31~32cm)、3つめは完全に腰を落としてしゃがむ和式スタイルでした。その結果、ほかのふたつに比べて、和式スタイルの排便時間は平均51秒と最短で、残便感も少なかったそうです。なお、通常の洋式便器では平均130秒、小型の洋式便器では平均114秒と、倍近く時間がかかっています」

しゃがむ和式スタイルにするだけで、早さだけでなく、快便度にまで変化があるとは! いったいなぜ、こんなに差が出るのでしょうか?

「腸の仕組みが関係しています。通常、私たちが座ったり立ったりと普段の生活を送っているとき、便が漏れないように肛門には『恥骨直腸筋』というストッパーが働いています。これにより腸は折れ曲がり、便の出口が開かないように制御されています(図左)。でも、しゃがむスタイルになると腸の曲がり具合はまっすぐに近づき、ストッパーがゆるみ、排便がスムーズになります(図右)。これが、和式スタイルのほうが排便しやすくなるメカニズムです」


【図左】洋式便器使用時。恥骨から延びる恥骨直腸筋がストッパーとなり、腸は折れ曲がって、便の移動を妨げる。【図右】しゃがんだ体勢になったとき(『SULUTTO』使用時)。恥骨直腸筋がゆるみ、腸のカーブがなだらかに。便が通りやすくなる
画像提供/おおたけ消化器内科クリニック
便秘気味のとき、今まで意識せずにかかとを上げたり、前かがみになったりしていましたが、あれは本能だったのかも! 排便をうながすため、人は自然と「しゃがむスタイル」に近いポーズを取るのかもしれません。とはいえ、家の便器を和式にすることもできないし…。

「慢性的な便秘に悩まされている方はとても多く、少しでもスムーズに排便をうながしてもらうために、2016年に洋式便器の足元に置く台座『SULUTTO』を開発・販売しました。この台座に足をかけて便器に座ると、無理なくしゃがんでいる状態に近づきます。またはご自身で台座を用意して設置してもよいでしょう」

大竹先生が定めている便秘の定義では、3日以上、便が出ない人は便秘。また、毎日出る人や一日に何度も出る人でも、お腹が張っていたり、残便感があったり、お腹に痛みや違和感があったりするようであれば、便秘の疑いがあるそう。さらに、下痢気味なので出ているという人でも『けいれん型便秘』や『オーバーフロー型便失禁』といった、隠れ便秘の場合も…。放置すると腸の病気につながることもある便秘。座り方を変えるだけで予防になるのなら、試してみてはいかがでしょうか?

(富永明子)

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