知られざる有事関連法案

いつの間にか決まっていた国民保護法の中身とは?

2005.02.10 THU

昨年6月に成立した有事関連7法案、条約3案件は、法文だけで40万字、対照表を含めると60万字から成る。これがたった2ヶ月で可決された、と聞くとただならぬ状況がありそうだ。中身を見てみると内閣総理大臣は、自衛隊に属する物品の提供を米軍に行うことができる。中身は“無限大”で「武器や弾薬の輸送・補給、修理若しくは整備、医療、通信、航空若しくは港湾に関する業務、基地に関する業務、宿泊、保管、施設の利用又は訓練に関する業務、およびこれらに付帯する業務」となっている。しかも従来は、PKO活動や国際人道支援活動、周辺事態と限定されていたのだが、今回の法案により「武力攻撃事態等」にも適用可能になった。どうやらイラクにおける自衛隊による米軍支援を可能にしたかった、という実情が見え隠れしているように思える。それを裏付けるかのように、この後に「イラク復興支援法案」を策定し、初めて陸・海・空の自衛隊をイラクに派遣している。

自衛隊と米軍の間だけの話と思うなかれ。有事関連法案のなかに「国民保護法」という立派な響きの法律が制定されている。07 年度中に日本が弾道ミサイルやテロ攻撃を受ける有事の際の避難・救急方法、連絡先などを説明した“手引書”が政府から全世帯に配布される。また都道府県は今年度に、市町村は来年度に武力攻撃を受けた際の避難や救助などを定めた国民保護計画を策定しなければならない。自治体ごとに避難訓練が義務付けられ、普段から有事に備えるという。他人事のように書いているが、書いている本人も読んでいる読者も全員が参加を義務付けられているのだから驚く。

有事に備えるという理由は理解できるが、そんなに危機的状況が我々に差し迫っているの?ちなみに住民避難は、実際にはかなり難しいようだ。鳥取県が試算したところ、住民約2万6000人を隣の兵庫県にバスでピストン輸送したとして、避難指示から完了まで11日かかるという。どんな手引書が配られるのやら。

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